慇懃(いんぎん)の2つの意味や慇懃無礼の使い方など解説します!

ビジネス用語

2019年4月26日

「慇懃」は大変難しい字ですぐ書ける人は少ないですが、言葉自体は日常的によく使います。特に「慇懃無礼」の四文字熟語は非常に一般的です。今回ビジキャリではこの「慇懃」を深掘りし、二つの意味とそれぞれの類語や英語表現に加えて「慇懃無礼」以外の四文字熟語も解説します。

「慇懃」(いんぎん)の要点

  • 意味:「礼儀正しい」「親しく交流すること」
  • 例文:「自社の利益に繋がりそうな話だが、彼は慇懃に提案を断った。」
  • 類語:「折り目正しい」「丁寧」「親密」
  • 対義語:「無礼」「無作法」「不行儀」
  • 英語:「polite」「interaction」「communication」

慇懃の読み方は(いんぎん)

慇懃の読み方

「慇懃」は読み方が難しく「いんぎん」と読みます。日常生活でよく使われる言葉ではないので、この読み方はしっかりと覚えておきましょう。 それぞれの漢字の読み方は、「慇」は音読みは「イン」、訓読みは「いたむ」「ねんごろ」となります。そして「懃」は、音読みでは「キン」「ゴン」、訓読みでは「つとめる」「ねんごろ」となります。漢字からイメージしやすい読み方ではないので、特別に覚えておく必要があります。

慇懃の意味①「礼儀正しい」

慇懃の意味

「慇懃」の正しい読み方は「いんぎん」でした。ここからは「慇懃」の意味を紹介していきますが、まずは「礼儀正しい」という意味を紹介します。 この意味は、例文も紹介していますので、「礼儀正しい」という意味が通るかを確認しながら読んでみてください。

「礼儀正しい」の意味の「慇懃」の使い方と例文

まずは「礼儀正しい」という意味で「慇懃」を使う場合の例文を1つ紹介します。

例文

  • 自社の利益に繋がりそうな話だが、彼は慇懃に提案を断った。

例文の「慇懃に礼をして」は、「礼儀正しく礼をして」という意味になります。「慇」と「懃」はそれぞれ「慇(丁寧)」、「懃(礼儀正しく丁寧なこと)」という意味になるので、これらの漢字の意味から「礼儀正しい」という意味が理解できます。

「礼儀正しい」の意味の「慇懃」の類語は「折り目正しい」「丁寧」

「礼儀正しい」という意味で「慇懃」を使う場合の類語は、「折り目正しい」「丁寧」です。

例文

  • 日本舞踊を習っているので、彼女は一つ一つの動作が折り目正しい。

「折り目正しい」は「きちんとしている」という意味です。「丁寧」も「行動や態度が粗雑ではない様子」という意味なので、「慇懃」と同じ意味になります。全て同じ意味なので意味を区別するいつ用はありませんが、「慇懃」はかなりかしこまった表現になります。

「礼儀正しい」の意味の「慇懃」の英語は「polite」

「礼儀正しい」の場合の「慇懃」の英語表現は「polite」です。

Sound Listen the english sentence

He is known for being polite to anyone.

彼はどんな人とにも礼儀正しいことで知られている。

「polite」は「礼儀正しい」「洗練された」という意味の英単語なので、「慇懃」の訳がピッタリ当てはまります。例文も「polite to anyone」で「誰にでも礼儀正しい」となっています。

「礼儀正しい」の意味の「慇懃」の対義語「無礼」「無作法」「不行儀」

「礼儀正しい」の場合の対義語には、「無礼」「無作法」「不行儀」があります。

例文

  • 彼は目上の人への言葉遣いがなっていない、無作法な人だ。

それぞれの意味は「無礼(礼儀を欠くこと)」「無作法(礼儀作法に外れること)」「不行儀(行儀が良くないこと)」という意味です。「無礼」はちょうど対義語になりますが、「礼儀作法に外れる」「行儀が良くない」はやや対義的な意味とずれますので、使う時は注意が必要です。

慇懃の意味②「親しく交流すること」

親しく交流すること

「慇懃」の2つ目の意味は、「親しく交流すること」という意味です。 こちらの意味も例文を交えて紹介していきます。同じ漢字でも、「礼儀正しい」と「親しく交流する」では意味が全く異なりますので、どちらの意味で使われているかを区別できるようになるために、こちらの説明もしっかりと読み進めてみてください。

「親しく交流すること」の意味の「慇懃」の使い方と例文

まずは、「親しく交流すること」という意味で「慇懃」を使う場合の例文を紹介します。

例文

  • あのホテルのスタッフは慇懃な雰囲気があって、親しみが湧く。

例文では「慇懃な雰囲気」となっていますが、「親しく接するような雰囲気」という意味になっています。「慇」と「懃」には、それぞれ「ねんごろな様子」「親しい様子」という意味があるので、これらの漢字の意味からも「親しく交流する」という意味が分かります。

「親しく交流すること」の意味の「慇懃」の類語「親密」

「礼儀正しい」という意味で「慇懃」を使う場合の類語は、「親密」です。

例文

  • 彼らは20年来の仲で、公私共に親密な関係だ。

「親密」とは「親しくて深い関係にあること」という意味なので「親しく交流すること」と意味が類似します。細かいニュアンスの違いとしては、「慇懃」は「親しく交流する」という「行為」を意味していて、「親密」は「親しい関係」という人の「関係性」を意味しているので、この点は区別しましょう。

「親しく交流すること」の意味の「慇懃」の英語「interaction」「communication」

英語で表現する場合は、「interaction」「communication」です。

Sound Listen the english sentence

They have a deep interaction with each other.

彼女たちはお互いに深い関係を持っている。

それぞれの単語は「interaction(相互作用)」「communication(通信、伝達)」という意味なので、「深く関わる」という時は「deep」が必要です。

慇懃無礼の意味は「丁寧すぎてかえって無礼」

慇懃無礼の意味

「慇懃」は「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」という四字熟語でよく耳にする単語ですが、この意味は「丁寧すぎてかえって無礼にみえる」という意味です。 この見出しでは「慇懃無礼」に当たる状況や例文を通して、この四字熟語の意味の理解を深めていきます。

慇懃無礼の具体例

「慇懃無礼」に当たる行動は、初対面の人に過度に丁寧に接することで、相手に「何か悪いことしたかな」と勘ぐられてしまう状況が考えられます。 その他にも、年上の部下から異常な明るさで「先輩すごいですね!こんなにいろんな知識を持っているなんて尊敬します!」と言われた時には、「よく心にもないことを言えるな」と思ってしまいます。どちらの例も必要以上に礼儀正しくすることで、相手から反感を買っています。

慇懃無礼の例文

前の見出しの説明を踏まえて「慇懃無礼」を使った例文を1つ紹介します。

例文

  • あまり中身の無い話をして人を褒めていると、慇懃無礼な人と思われますよ。

例文は年上部下から上司へのお世辞をイメージすると分かりやすいですが、口では相手を褒めるような事を言っていても、その内容があまりにも中身の無いことだと相手から不快を感じられてしまうということを指摘しています。

慇懃無礼の英語「」

「慇懃無礼」は英語で「hypocritical courtesy」となります。

Sound Listen the english sentence

He treats his boss in a hypocritical courtesy.

彼は上司に慇懃無礼な態度で接する。

「hypocritical」は「偽善的な」という意味の形容詞で、「courtesy」は「礼儀」という意味の名詞です。つまり直訳すれば「偽善的な礼儀」で、「慇懃無礼」と訳せます。

「慇懃」を用いたそのほかの四字熟語

四字熟語

この記事では「慇懃無礼」という有名な四字熟語を紹介しましたが、この他にも「慇懃」を使った四字熟語があります。 ここで紹介する「慇懃尾籠」と「慇懃丁重」という四字熟語は、それぞれ意味が真逆になりますので、どちらがどのような意味なのかを間違えないように注意しましょう。

慇懃尾籠

「慇懃尾籠」の読み方は「いんぎんびろう」と読みますが、これは「必要以上に丁寧で、不快感を与えてしまうこと」という意味です。

例文

  • 彼女は気に入らない人がいると、慇懃尾籠な態度をとりがちだ。

「尾籠」とは「汚いこと」「礼儀をわきまえないこと」という意味の熟語です。ここから、「丁寧にしすぎて、逆に礼儀を欠いた態度を取ること」となり、「慇懃尾籠」の意味が成り立っています。

慇懃丁重

「慇懃丁重」の読み方は「いんぎんていちょう」で、これは「非常に丁寧なこと」という意味です。

例文

  • 昨日のイベントのスタッフは皆慇懃丁重で、居心地が良かった。

冒頭で説明したとおり「慇懃丁重」は、「非常に丁寧な様子」という意味で、底には「無礼さ」や「無作法」というニュアンスは全く含まれません。例文のようにポジティブな意味で使いますので、「慇懃尾籠」とは明確に使い分ける必要があります。

まとめ

まとめ

「慇懃」は「礼儀正しい」「親しく交流すること」という肯定的な意味ですが、四字熟語になると一緒に使われる言葉で真逆の意味になるので注意が必要です。 また、「慇懃」を使っても意味が通じないことはないですが、難しい言葉を使わず平易な表現にしたい時は「丁寧」「礼儀正しい」といった方が分かりやすいです。


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