ゴイアニア被曝事故の経緯

この被爆事故は、放射性物質が入った機器が放置されていたことで簡単に盗み出すことができたということが事故の最大の原因でした。廃院の跡地から運び出されたセシウム137を危険な放射性物質と知らない人が持ち歩いたことで被害は拡大しました。 ここからはこの多くの被害者を出した被爆事故がどのように発覚し、州や市、ゴイアニア公衆衛生局は事故にどう対応しようとしたのか見ていきましょう。

廃院になった病院から放射線治療装置が盗まれる

ゴイアニア市内にある民間の放射線治療クリニックが廃院となり、建物内にあった放射線治療装置が盗み出されました。犯行の時期は特定されていませんが9月10~13日の間と推測されています。 当時この放射線治療装置は処分を巡ってゴイアニア市と病院側で話し合いが行われており、いくつかの放射線治療装置と一緒に放置されていました。 盗み出した若者らは持ち運べる大きさまで装置を解体し、セシウム137の粉末が充填されている回転照射体を取り出し持ち去りました。

放射線源格納容器から顆粒状のセシウム137を取り出す

若者らは回転照射体を自宅に持ち帰りました。2人には下痢や嘔吐などの症状が出ていましたが、比較的症状が軽い一人が容器の解体に取り掛かりました。 若者が線源容器に穴を開けることに成功しますが、この時に漏れ出した放射性物質は目に見えない微細なものだったため、若者はセシウム137による放射能汚染が始まったことに気づきませんでした。 若者はそのままの状態で線源容器を廃品業者に持ち込みました。廃品業者は倉庫の中で光る粉末状のセシウム137を見て、高価な物と思い自宅に持ち帰りました。

セシウム137と知らずに、それを家族や友人に配る

廃品業者は光る粉末状のセシウム137を家族や親類、隣人に見せびらかし、それを見た多くの人が手で触れたり体に塗りつけたりして楽しみました。 従業員は粉末状のセシウム137を親戚や知人に配ってまわり、貰った人達もその粉が危険な放射性物質とは気づきませんでした。 やがて廃品業者の家族全員が体調不良を起こし始め、その症状は日に日に悪化していきました。廃品業者の妻が光る粉末(セシウム137)が原因と思い、プラスチック容器に入れて公衆衛生局に持ち込みました。