五反田の土地の売買を持ちかけた地面師集団

積水ハウスに対して地面師グループが取引を持ち掛けたのは五反田駅周辺に位置する元旅館「海喜館」でした。 旅館が廃業した後はその土地の地主でもある海老澤妃子さんがその旅館に住んでいました。 地面師グループは海老澤さんが入院中のタイミングを狙って、積水ハウスの社員に対して建物の内覧をさせるなどして、土地の所有者であることを信じ込ませたとされています。

会社トップまで介入した積水ハウス

この五反田の土地取引において積極的だったのが積水ハウスの阿部社長(当時)でした。 社長自ら現場を視察し、「ぜひやりたい」と営業部門に対して激を飛ばしたとされています。 この取引に際しては、地面師の土地の所有者役が干支や住所を間違えるなど怪しい点がありました。 しかしながら、社長の鶴の一声があったために、積水ハウスの社員はこうした怪しい点には目をつむり、契約をしてしまったとされています。

積水ハウスでは地面師事件をきっかけにクーデターも

こうした地面師事件の責任の所在を巡って積水ハウス内では権力闘争にまで発展し、2018年の取締役会において会長が解任されています。 また、2年後の2020年の株主総会においてその前会長が現経営陣の退任要求を行うなど、積水ハウス内部では内乱が続いています。

取締役会で起きた会長vs社長

積水ハウスでは約55億円をだまし取られたことに対する経営責任を巡って和田会長(当時)と阿部社長(当時)の間で対立が生じていました。 和田会長は地面師との取引を積極的に進めた阿部社長に対して退任を求めていましたが、逆に阿部社長の返り討ちに会い、和田会長の退任と阿部社長の解任就任が決定されています。 このように詐欺事件をきっかけに生じた権力闘争では阿部社長の勝利で一度は終わっています。