三島事件の経緯

三島由紀夫は日本がアメリカの属国となって弱体化いることに憤りを感じ、日本国憲法を改正するという信念を持っていました。しかし変わらぬ現状に激しい怒りと絶望も同時に感じていました。三島事件は、天才三島由紀夫らしくない凡庸な事件として今も語り継がれています。

陸上自衛隊総監を楯の会メンバー5人で訪問し拘束

三島由紀夫ら5名は陸上自衛隊駐屯地に到着すると応接室に通され、総監の益田兼利に面会しました。 三島由紀夫が楯の会のメンバーを紹介し終えると、総監は三島由紀夫の軍刀に目をやり刀を見せてほしいと言い、刀を鞘から出しひとしきり眺めていました。 総監は「いいものですね」と言って手渡すと、三島由紀夫はメンバーに刀を鞘に納める「カチ」という音を出し古賀浩靖に総督を拘束せよという合図を出します。素早く古賀浩靖が後ろに回り込み猿ぐつわを噛ませました。その間森田必勝らは入り口に机やいすを置いて、幕僚幹部らが入れぬようにしました。

幕僚幹部らに要求書を出す

三島由紀夫らは総監室に押し入ってくる幕僚幹部らを追い出すと、窓越しで説得を続ける幕僚幹部らに刀を示しなが持参した要求書を読むよう廊下に放り投げました。 そして「この要求をのめば総監を解放する」といって、総監に刃物を突き付けました。吉松秀信(ひでのぶ)副総監は要求をのむので総監を解放するよう説得しました。 三島由紀夫は「攻撃や妨害行動をしなければ解放する」と述べ、要求書にあるように12時までに自衛官を集めるよう幕僚幹部らに迫りました。さらに「要求が通らない場合は総監を殺害して自決する。」と告げました。

檄文を配布し、バルコニーで三島由紀夫が演説

三島由紀夫はアメリカの占領下で弱体化する日本を立て直すためにも、憲法を改正し自衛隊を国軍化せよという自身の憂国の想いを聴くよう、全自衛官を集めろと幕僚幹部に要求しました。 自衛官たちは本館前に集まると、「あれは三島由紀夫か」「何をするきだ」「おかしなことは止めろ」とバルコニーを見上げながら、楯の会のメンバーに罵声を浴びせました。 バルコニーに立った三島由紀夫は集まった自衛官たちを眺め、「自衛隊は国軍になるべきだ」と決起を促しました。