東京電力HDが核燃料取り出しに1兆3700億円必要と試算

1分でわかるニュースの要点

  • 約10年間の核燃料取り出し作業の試算
  • 安全性を最優先しながらも経済的問題も多い
  • 今後の原発の稼働については賛否両論

東京電力HDは3月30日、福島第一原発事故で溶け落ちた核燃料(2号機)の取り出しに、約1兆3,700億円必要との試算を「2019年度の連結業績予想」にて公表しました。準備作業で3,300億、設備の設置に1兆200億、核燃料(デブリ取り出し)に200億の内訳です。 ただしあくまで想定であり、今後さらに大きな額になると予想されています。

福島第一原発の核燃料取り出し

今回の費用は、あくまで2号機の核燃料取り出しにかかる約10年間分の金額のみです。「中長期ロードマップ(30~40年計画)」に定められた1~3期の第2期の作業に当たります。 今回の2号機の核燃料取り出しは、今後の本格的な作業の試験的位置づけです。1~3号機の合計では約900トンにも上るとされ、世界的にも技術的困難が予想される取り組みと言われています。 公表資料内でも取り出し費用は「想定困難」との明記があり、実際にかかる金額の見通しは立っていません。

特別損失を計上し純利益が減る見込み

東京電力HDは核燃料取り出しにかかる費用を、「燃料デブリの取り出し」として3,500億の損益計上すると、2019年度業績予想にて発表しています(準備作業3,300億+デブリ取り出し200億)。 災害等の外的要因で出た損失や、会社経営以外の要因での損失のときに計上できる「特別損失」での計上です。 当期純利益は前年より約1,500億減り、前年度2,324億の約3割である790億に留まる見込みとなりました。これにより、純利益は2期連続のマイナスとなりました。

金額より安全性を重要視する東京電力

原発事故を受け東京電力は現在、経済性を重視しない安全性中心の計画で廃炉作業を進めています。実際に原発規制委員会に提出した「保安規定」にも、その旨を明記しました。東京電力の原子力発電所の今後には、どのような見通しが立っているのでしょうか。