「手が回らない」の意味や例文や英語、「立て込んでいる」「猫の手も借りたい」との違いなど解説します!

ビジネス用語

2019年5月14日

「手が回らない」は日常的によく使われる慣用表現です。「立て込んでいる」「猫の手も借りたい」などという類語も耳慣れた表現ですが、それぞれのニュアンスの違いまでは把握しきれていないかもしれません。今回、本記事では「手が回らない」について取り上げます。

「手が回らない」の意味は「やるべき仕事が多く大変な様」

手が回らない

「手が回らない」は「やるべき仕事が多く大変な様」という意味の慣用表現です。 「回す」という言葉には「あれこれ手を下して、力が及ぶようにする」という意味がありますが、「回らない」とすることで「力が及ばない=こなせない」という意味になっています。 こなせる仕事量以上の仕事が溜まっていて、処理できない状況で使われる言葉です。個人の状況についてもグループなど複数人の状況についても使うことができます。

「手が回らない」の使い方と例文

「手が回らない」の使い方と例文

次は「手が回らない」という慣用表現の使い方を紹介します。 「手が回らなくなる」「手が回っていない」「手が回らなかった」という3つの表現を紹介します。時制が異なるので、時間に注意しながら読んでください。

例文①手が回らなくなる

1つ目は「手が回らなくなる」という表現です。 ・臨時増員もせずにキャンペーンを始めては、注文に手が回らなくなるのは当たり前だ。 「手が回らなくなる」とは「やるべき仕事が多くて大変になる」という意味で、これから仕事が増えて大変になることを予想する時に使われる表現です。例文ではキャンペーンを実施して一時的に増加する注文に対応するための増員をしなければ、仕事が多くなって大変になると言っています。

例文②手が回っていない

2つ目の表現は「手が回っていない」です。 ・ここ2ヶ月で3人も退職してしまったので、通常業務にもかかわらず手が回っていない。 「手が回っていない」とは「やるべき仕事が多くて大変になっている」という意味で、現在進行系で仕事量に対して人員が足りていない状況で使います。例文でも、短期間で3人が退職したことで通常営業なのにもかかわらず仕事をこなしきれていないことを表現しています。

例文③手が回らなかった

3つ目の表現は「手が回らなかった」です。 ・去年の年末商戦の時期は、アルバイトを雇ったにもかかわらず手が回らなかった。 「手が回らなかった」とは「やるべき仕事が多くて大変だった」という意味で、過去の出来事について話す時に使われる表現です。例文では年末商戦に向けてアルバイト採用していたものの、予想以上の来客で仕事をこなすのが大変だったことを表現しています。

「手が回らない」の類義語の慣用句やことわざとそれぞれとの違い

類義語の慣用句やことわざ

次の見出しでは「手が回らない」と意味が似ている表現を3つ紹介します。 「立て込んでいる」「猫の手も借りたい」「てんてこ舞い」という3つの慣用表現について、「手が回らない」と意味が似ている点と異なる点を意識して理解し、正しく使い分けられるようにしましょう。

「手が回らない」と「立て込んでいる」の違い

「手が回らない」と「立て込んでいる」の違いは、「用事が重なる」という意味があるかどうかです。 「立て込んでいる」は「ある一時点に仕事が複数重なり、忙しくなる」という意味の慣用句です。「用事が重なる」と「忙しくなる」という2つの意味を理解しておく必要がある表現です。 「手が回らない」は「仕事が多い」ものの「用事が複数重なる」というニュアンスは含まないので、区別して覚える必要があります。

「手が回らない」と「猫の手も借りたい」の違い

「手が回らない」と「猫の手も借りたい」の違いは「手伝いを求める」というニュアンスの有無です。 「猫の手も借りたい」とは「あまりにも忙しすぎて、誰でも良いから手伝ってほしい」という意味です。「非常に忙しい」という意味と「手伝ってほしい」という2つの意味が含まれています。 「手が回らない」も「忙しさ」を表現した言葉ではあるものの、誰かに「手伝いを求める」意味は含まれていません。

「手が回らない」と「てんてこ舞い」の違い

「手が回らない」と「てんてこ舞い」の違いは、「休む暇がない」と「動き回る」というニュアンスの有無です。 「てんてこ舞い」とは「休む暇なく、忙しく動き回る」という意味です。「休む暇がない」という意味と「動き回る」という2つの意味が含まれた表現になっています。 「手が回らない」も「忙しさ」を表現する言葉ですが、上記の2つのニュアンスが明確に含まれているわけではないので、区別が必要です。

「手が回らない」の英語

「手が回らない」の英語

「手が回らない」を英語で表現すると「short-handed」となります。 ・By the fact that it was picked up by television, the orders increased and we were short-handed. (テレビに取り上げられたことで受注が増え、人で不足になった。) 「short」が「不足している」という意味の形容詞です。

「手が回らない」と似ていることわざ・慣用句

似ていることわざ・慣用句

次は「手が回らない」と似ていることわざを3つ紹介します。 「頭が回らない」「首が回らない」「気が回らない」という表現を取り上げます。全て「回らない」という似た表現を使っているものの、全く意味が違うので混同しないように注意してください。

頭が回らない

「頭が回らない」には3つの意味があります。 1つ目は「思考が追いつかない」という意味で、「自分の理解能力を超えている」時に使われる表現です。2つ目は「理路整然と考えられない」という意味で、「状況を整理できない」という時で使われる表現です。そして3つ目は「意識が回らずに放置してしまっている」という意味で、「気にかけることが出来ない」という時に使われます。

首が回らない

「首が回らない」は「借金などが多く、お金のやりくりがうまく出来ない」という意味です。 「手が回らない」は「仕事が多くて大変」という意味ですが、「首が回らない」は「金銭面がコントロール出来ていない」という意味です。「仕事の忙しさ」と「金銭管理」では全く意味が異なるので、正しく使い分けられるようにしましょう。

気が回らない

「気が回らない」は「細かい部分まで配慮が行き渡らない」という意味です。 「手が回らない」では「仕事が多くて大変」という意味ですが、「気が回らない」は「配慮」の問題で「仕事の質」に関わる意味の言葉です。「回る」には「あれこれ手を下して、力が及ぶようにする」という意味があると紹介しましたが、「気が回らない」は「気配りが及ばない」ことを指しています。

手が回らない時の対処方法3つ

手が回らない時の対処方法

最後に「手が回らない」時の対処法を3つ紹介します。 「手が回らない」ということは自分の仕事をこなせる能力に対して仕事量が多いので、方法は「仕事量を減らす」か「人員を増やす」か「仕事時間を増やす」のどれかです。それぞれの方法についてより詳しく説明していきます。

①仕事量を減らす

まず1つ目の方法は、「仕事量を減らす」ことです。 「仕事量を減らす」といっても自分に課された仕事を無視するのではなく、求める成果に対して本当に必要な仕事のみにやるべきことを絞ると言うことです。 ただし、この方法は自分ひとりの判断で勝手にやってしまうと、本当は必要なことを削ってしまう可能性があります。そのためこの方法を取る時には上司に確認をとって無駄な仕事を削れないか相談してみましょう。

②人員を増やす

2つ目の方法は「人員を増やす」ことです。 この記事の例文でも書かれていますが、年末商戦やキャンペーンを実施した時には一時的に仕事量が増えるなどして、こなせる仕事量を大幅に超えることもあります。 その対処法や事前対策として臨時のパートやアルバイトを早めに採用して忙しくなる時期までに仕事のやり方を教えておき、実際に忙しくなった時にスムーズに仕事をこなせるように準備しておきましょう。

③仕事時間を増やす

3つ目の方法は「仕事時間を増やす」ことです。 仕事量を減らす相談をして最低限の仕事に絞り、人員を増やした上でも仕事をこなせないのであれば、一人あたりの仕事量を増やすしかありません。つまり仕事時間を増やすということです。 仕事時間を伸ばすのはなるべく避けたいことですが、必要な仕事をこなすためにはやむを得ません。ただし、なるべく仕事を効率的に進める工夫をして、延長する時間を最小限にとどめましょう。

まとめ

まとめ

「手が回らない」とは「やるべき仕事が多くて大変な様」という意味の表現でした。 「回らない」という言葉を使う表現は他にも3つあり、どれも全く意味が異なります。意味が混同しないように注意して覚えましょう。また3つの類義語もニュアンスの違いを理解して正しく使い分けられるようにしましょう。


関連記事