運転手には高熱により事故前後の記憶がない

はとバスの運転手は、反対車線側の街路樹に衝突するまで気付かなかったと供述しています。意識を失い記憶のない状態でハイヤーに追突していたことになります。 はとバスの運転手は事故後の病院検査によって38度の高熱、インフルエンザA型に感染していたことが後にわかりました。警視庁の調べによると、はとバス内のドライブレコーダーには運転手が頭を大きく揺らしている姿も映っていました。 テレビ朝日系「グッド!モーニング」にて池袋大谷クリニック・大谷義夫氏によれば、高熱によって意識を失ったか、脳が炎症を起こし意識障害やけいれんなどを発症する「インフルエンザ脳症」の可能性もあると報じられました。

はとバスの運転手管理に問題はなかったのか?

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今回の事故を受け、はとバスの運転手管理に問題はなかったか問題視されています。 運転手の健康状態については、出勤時の点呼時においてアルコールの呼気検査や担当者によるドライバーへの対面チェックが行われます。体調不良はあくまでも運転手本人からの自己申告が前提であるため、本人が言わない限りは異常は見抜けない状態でした。 事故当日は午前7時すぎから修学旅行の運行業務を務めたのちに都内の定期観光バス業務にあたり、終業は午後9時を過ぎるという長時間業務でした。体調不良の運転手の身体には負担が大きかったと考えられます。

プロドライバーの過酷な労働環境が原因の事故は多い

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今回の事故に限らず、バスやトラック運転手などの長時間ドライバーによる事故は少なくなく、過酷な労働環境が原因であるといわれています。 平成24年4月に関越道でツアーバスが高速道路側面に激突し7名の命が奪われる痛ましい事故が発生し、その事故をきっかけに長距離ドライバーの安全対策が講じられるようになりました。労働環境改善のために厚生労働省が改善基準を定めています。 しかしながら低い賃金状況による慢性的な人員不足もあり、過酷な業務が強いられている実態はなかなか改善が進んでいません。また大型車両が休憩可能なスペースも不足しているため、長距離ドライバーの労働環境は改善されているとは決して言えない状況です。

政府の調査、対応が待たれる

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国土交通省関東運輸局は死亡事故を受け、はとバスの本社営業所に対して監査を行い、事故を起こした運転手の勤務状況や営業所の管理体制などに問題がなかったかどうかを調査しています。国土交通省は「問題があれば適切に対処する」としています。 昨今では「高齢者ドライバー」による事故が問題視されています。また2019年12月より「ながら運転」の罰則が強化されました。交通事故を減らすためには、運転者の安全への意識が何よりも大切です。 これからも安心して利用できるように、多くの人の命を乗せて走るバスの運転手や運営会社は、その管理体制に至るまでより高い安全基準を順守して頂きたいものです。