オリンパス事件の概要

カメラとその周辺機器や電子機器メーカーとしてその名を知られていたオリンパス株式会社は、資産運用という名目でバブル期に巨額な資金をつぎ込み、投資していました。しかしバブル崩壊と共にそれは巨額の損失に変わります。 そうした事態に陥った場合、企業はその事実をきちんと公開したうえで損失額と経営への影響について株主たちに説明する義務を負います。しかしオリンパスの経営陣はその事実を隠し、「飛ばし」と呼ばれるスキームを用いて隠蔽しました。 飛ばしは10年以上行われ、最終的に企業買収に絡む粉飾決算で損失分の負債を処理したのが「オリンパス事件」の概要です。

オリンパス事件の原因は粉飾決算

オリンパス事件の発端はバブル期に株式や不動産投資に失敗し、巨額の含み損を抱えたことです。投資した資産の価値が暴落したことで、日に日に金融商品における運用損が膨らみました。それを取り戻すべく企業買収を行いますが、その時点で企業には価値がなく特別損失を抱えることになります。 その後オリンパスは「飛ばし」と呼ばれる、出した損失を外部に売却したと装う方法で損失計上を免れようとします。さらに損失を隠蔽するために、財務報告書を改ざんするという粉飾決算に手を染めました。これがオリンパス事件の原因となります。

オリンパスの粉飾決算は内部告発により明るみに出た

10年以上にわたって歴代の社長以下経営陣に引き継がれていた粉飾決算が明るみになったきっかけは、内部告発によるものでした。 2009年8月にフリージャーナリストである山口義正氏のところに、オリンパス社員である浜田正晴氏が不正経理疑惑に関する相談を持ち掛けます。山口氏は2011年2月に取締役会の資料を受け取り、情報源を伏せたまま2011年7月に月刊誌ファクタにオリンパスにおける損失隠しをスクープしました。 浜田氏がマスコミへの匿名通報を選んだ背景には、社内の内部通報制度を利用しようとしたところ閑職に追いやられたことがありました。

オリンパスの代表取締役のウッドフォードが突然解任される

2011年4月よりオリンパス本社代表取締役社長に就任したのは、欧州法人社長だったマイケル・ウッドフォード氏でした。 イギリス人のウッドフォード氏は月刊ファクタの調査報道で疑惑を知り、企業買収の実態を調べ始めました。そして一連の企業買収は高額取引にも関わらず透明性に欠け、会社並びに株主に損害を与えていると指摘したうえで、同年10月に菊川剛会長と森久志社長に対し引責辞任を求めます。 しかしその直後である10月14日の取締役会で突然、ウッドフォード氏は代表取締役社長を解任さたのです。さらに新社長として就任したのは、菊川会長が代表取締役会長兼執行役員でした。