737MAXの導入実績

その原因はパイロット不在で設計された誤った自動化システムにある。当該機は1967年の初飛行以来半世紀にわたり改良を重ね10,000機以上が製造されたボーイング737の後継機として登場し既に世界中の航空会社から4932機を受注し387機が納入されたものである。 その特徴はエンジンを大型化し、主翼先端のウイングレットの形状を変えて成功を減らして航続距離を最大800キロ伸ばし燃費を14%向上させた点にある。 しかし新型エンジンの直径が大きいために主翼に取り付けたエンジンと地面との間隔を十分に確保すべく、エンジン取り付け位置を上方・前方に移動させた結果、空力的な理由から、飛行中に機首が上がりやすい傾向が強まった。そこで想定以上の機首上げが発生したらそれを制御し、機首を自動的に下げるMCASと呼ばれるこれまでにない自動化システムを導入したのであった。

737MAXの欠陥

この操縦性補正システムのMCASがセンサーからの誤った信号を受け暴走し、離陸直後に大きな機首下げモーメントを発生しそれが原因で墜落するという事故をたて続けに起こす結果となった。 インドネシアのライオン航空機事故と記事ことエチオピアで起きたエチオピア航空機事故はそうして起きた。なぜセンサーが異常な信号をMCASのコンピューターに送ったのかはわかっていないが一説にはバードストライク(鳥の衝突)が原因とも呼ばれている。エチオピアでは以前大量の鳥が全エンジンに飛び込み墜落すると言う事故を経験しているので気になるところである。

不必要な自動失速防止機能、MCAS

MCASは多くのメディアで失速を自動で防止する自動失速防止装置と訳されているが実際は何も失速だけでなく機体の機首上げモーメントを制御するシステムと広く解釈してほしい。その中でパイロットが離陸の時などで機首を上げすぎて失速に入ろうとするとそれを止めるべく機体後部のスタビライザー(水平安定板)を自動で機首下げの方向に動く機能が働くことになる。しかし、これまでの航空機にはそのような機能を持ったものはなく737MAXで初めて搭載されたものとなった。 離陸での機首上げ操作はボーイング機ではパイロットの正面にある操縦桿を引いて操作する。エアバス機はパイロットの左側にある際のスティックを少し引く形で信号をコンピューターに送るようになっている。いずれもパイロットが手動で行う操作であり現代のハイテク航空機といえどもこの離陸時の機首上げ操作だけは自動化されておらずパイロットの手動操縦に頼る他ないことを知っていてほしい。 パイロットが失速を認識すると機首を下げエンジンを最大出力にあげることによって速度の低下を回復し、すぐに入らないようにすることができる。失速の警報は約107%で作動するが、その時点で仮にパイロットが速やかな対応を失念してもその後失速状態に入り翼の周りの空気が乱れ翼全体が激しく振動を起こすが、この時点でのパイロットが先に述べた手動による操縦桿の操作を行えば失速からの回復は間に合うことが多い。 ところが737MAXではパイロットが手動で機首上げして機首が上がりすぎた場合失速に入らないように自動でスタビライザーを連続的に機首下げの方向に動かすようになるという設計となっている。一般に機が失速を始めると操縦桿についているスティックシェーカーと言う装置が作動して操縦桿に振動をで警告を行う装置が付いている。