感染拡大と経済への打撃

世界最大の消費人口を抱える中国も例外ではない。 感染の第二波、第三波が押し寄せており、大雨による揚子江などの河川の氾濫も追い打ちをかけ、農業生産は壊滅的な打撃を受けている。 これにアメリカとの貿易、技術摩擦が上乗せされ、失業者も急増し国内経済はひっ迫の極みである。 コロナ感染の封じ込めに成功した優等生と評価されたベトナムでも8月に入り、感染者が急増。日本との間での往来規制を緩和する準備も棚上げとなってしまった。 これまで「感染者ゼロ」と大見えを切ってきた北朝鮮でも、韓国への脱北者が再入国した際にコロナ菌を持ち込んだとの妙な理由をつけて、国内での感染を認めることになった。 近場のアジアに限らず、中東やアフリカ、南米でも感染の勢いは加速する一方だ。

国家への不信感と金の需要の高まり

こうした危機的状況に対して、効果的な歯止めをかけられない各国政府への不満や不信は高まるばかりだ。 例えば、11月の再選が危ぶまれるトランプ政権が実行しているのはドル紙幣の増刷のみ。感染症対策と称して、この6月ひと月間に発行したドル紙幣の総額は8640億ドルで、これはアメリカ建国以来200年間に発行された全ての金額を上回る。 まさに国家破綻を無視した対応である。ドル紙幣の価値は額面の1%と言われる有様だ。 金(ゴールド)に投資マネーが流れるのも当然の流れである。 今年前半で20%以上の価格が高騰した金であるが、年末から来年以降には更なる価格上昇が確実視されている。 暗号通貨への需要も高まる。 それだけ国家への信用が失墜していることの現れに過ぎない。

普通の日常生活は望めない

残念ながら、多くが期待するような「普通の日常生活」はもはや望めそうにない。 とはいえ、政府に頼っているだけでは心もとない。 アメリカも日本も新型コロナウィルス対策と称して財政支出を加速拡大させているが、財源の保証はどこにもない。 それゆえ、これまでの「困った時の国頼み」という発想を捨て、個人、企業、地域が連携して新たな生き残り戦略を見出して行くしかないだろう。