かんぽ生命と日本郵便に対し3ヶ月の業務停止命令

12月27日、金融庁は、かんぽ生命とかんぽ生命の販売を業務委託で請け負っている日本郵便に対して、新規の保険販売業務を3ヵ月間停止する行政処分を出しました。 今回の行政処分というのは、かんぽ生命の保険の不適切な販売が、営業現場のノルマ達成を重視した結果であり、経営陣に関しても営業現場の実態を十分に把握していないなど、内部の管理体制にも重大な問題があったと判断したからです。 かんぽ生命は、2019年7月から営業活動を自粛していますが、さらに3か月間もの間保険の販売を停止させるという内容のものです。 かんぽ生命の保険販売は、かなり悪質な手口のものが多かったように思われます。 しかも、高齢者を狙っての保険販売です。もしかしたら、あなたの両親、または祖父母の方が狙われていたかも知れません。 高齢者の保険販売などについて、注意していきたいことを含めて書いてみましょう。

かんぽ生命の1万2000件にも及ぶ被害

かんぽ生命の保険の不適切販売を調査している、第三者の弁護士による特別調査委員会の報告書が2019年12月18日に公表されました。 それによると、顧客に不利益な可能性がある18万3000件の内、14万8000件は契約している顧客の意向に添い適切な処理を行い、法令や社内ルールに違反する疑いのある手法にて保険が販売された件数が1万2836件確認されたという内容です。 この1万2836件というのは、調査途中の数字であります。私の個人的な感想ですが、実際の数字はもっと大きいものではないでしょうか。今後の調査報告を注目していきたいものです。

かんぽ生命の契約者の70%は60代以上の高齢者

この報告書のひとつのポイントは、高齢者の新規契約者がとても多いことです。 通常、生命保険が必要なのは、若い世代のまだ小さい子どもがいる家庭です。高齢者にとって生命保険は、必要度の低い商品といえます。 しかし、高齢者の方が、お金を持っていて信じやすい。つまり、狙いやすいターゲットなのです。郵便局という信頼を利用しての手口なのでしょう。 報告書によりますと、違反のある販売の契約者は、全体の70%が60代以上の高齢者になっているのです。その内訳は、およそ32%が60代、およそ30%が70代、およそ10%が80代になっています。性別でいうと、約85%が女性で、約15%が男性です。 一番弱く、守っていかなくてはいけない高齢者が、狙う打ちされていると言っても過言ではないのです。

高齢者に保険を売った手口とは

2018年4月に放映されたNHKの「クローズアップ現代+」でも、かんぽ生命による高齢者を狙った営業について放映されました。また、NHKの「NEWS WEB」12月27日の記事に「2年で7件契約をした80代の女性」に取材したものがありました。 その内容とは、2017年8月から2019年5月までの間に7件の生命保険に加入をして、月額60万円の保険料を支払っていると言うことです。80歳の高齢者にとって、月額60万円の保険が本当に必要なのでしょうか、耳を疑うような内容です。 かんぽ生命の社内ルールによると、70歳以上の契約者の場合には、家族の同席を求めるようになっているのですが、家族の同席もなく契約をしていたということです。また80歳の女性は認知機能の低下が認められているそうです。 契約者の女性は、「郵便局から来る人はいい人で、そんなことをするとは思ってもいなかった」と話しているそうです。 このような詐欺的な契約は、人の弱みにつけ込んだとても乱暴な営業だといえます。