自宅から拳銃も押収された

覚醒剤取締法違反で逮捕された後、稲葉の自宅とアジトの家宅捜索が行われ明らかに販売目的であろう大量の覚醒剤とロシア製の拳銃が発見されました。 稲葉圭昭は覚醒剤を自ら使用するためだけでなく、拳銃の密輸・密売に関わっていたことが家宅捜索で判明したのです。このことがのちに「稲葉事件」が北海道警察全体をも揺るがす要因となります。 なぜ稲葉圭昭が密輸・密売に手を染めることになったのかが明らかになるにつれ、警察組織の問題が次々と浮き彫りになったのです。

稲葉事件の犯人、稲葉圭昭の犯行動機

稲葉圭昭が事件を起こすことになった原因は警察組織の仕組みが大きく関わっています。検挙率を上げることが正義とされ警察組織ではそれが全て警察官の評価に繫がるのです。 そのような組織構造の中で検挙率を上げるため稲葉が行ったのは協力者(S=スパイ)を作ることでした。逮捕時に20人のSがいたとされる稲葉ですが、彼が事件を起こすきっかけはこのSとの関係が大きな要因となっています。

情報入手の資金

稲葉は拳銃や覚醒剤の密輸や取引など暴力団しか知らないような情報を、暴力団内部の人間をSにすることで情報を得ていました。もちろんSはただで情報をくれるわけではありません。 Sから情報を得るには飲食代の負担や小遣いを渡す必要があり、そのために多額の資金を調達しなければならず稲葉は覚醒剤の密輸・販売に関わるようになっていきます。 警察にも情報料の資金としての予算はありますが稲葉はそれを使わず、ほぼ自分で資金を調達していました。よく働くとされたSは関係が悪化するまでの間2,000万円もの資金を使っています。

交際費にも使っていた

Sと組んで覚醒剤や拳銃の密売に手を染めていった稲葉圭昭ですが自分が窓口となることはありませんでした。常に密輸したものはSに売りさばかせ、4,000万円近くの利益を上げるようになっていきます。 こうした犯罪で得たお金はSに払うものだけでなく当時交際していた畑中絹代との交遊費や外車の購入にも充てられたのです。 このように密売で稼いだお金を交際費に使っていたことは、稲葉が裁判で有罪判決を受けた1つの原因になりました。