商品券、ポイントは使用できなくなる

大沼の倒産によって主に影響を受けるのは、普段から大沼を利用していた一般の消費者です。 大沼は破産手続きを始めるに当たって、公式ホームページに消費者向けの質問と回答を掲載しました。それによれば、大沼の発行した買い物券や商品券、ポイントカードのポイントは使用不能になるとのことです。ただし買い物券、商品券については4月を目処に還付されることになっています。 予約や取り置きに関しては個別の対応になるものの、基本的には受け取ることができるようです。また商品の修理等の対応は2月12日の時点で完了しています。

売掛金がある場合全額を得られるかは定かではない

大沼の倒産は取引先にも影響を及ぼします。大沼と関連会社の破産手続きを始めてから商品代金や売掛金の管理などは、破産管財人となった田中暁氏と向田敏氏の2人の弁護士が担うことになります。 以後は破産管財人が大沼の精算を行うこととなりますが、それによって売掛金のある取引業者に全額返還されるかは未知数です。 山形新聞の取材によれば、取引業者の多くは現時点で売掛金回収を絶望視している様子が見られます。

連鎖倒産の可能性は?

大沼は山形県唯一の百貨店でした。それだけに取引先も多く、大沼の破産によって連鎖的に取引業者が倒産する可能性があります。 山形県は1月28日、県庁と4ヶ所ある総合支庁に雇用相談や金融相談の窓口を開設しました。 また山形県と山形市の2者で、日本政府に対してセーフティネット保証制度の要請を行うと発表しました。県商工業振興資金融資制度を適用し、経営を安定させる運転資金(上限8000万円)を年利1.6%で貸し付ける予定です。

苦戦する百貨店業界の生き残りをかけた戦い

大沼に限らず、百貨店業界は長期低迷時代に突入しています。大手百貨店は2017年前後こそ中国人観光客によるインバウンド需要、いわゆる爆買いによって一時的に売り上げを伸ばしましたが、全体的には厳しい状況のままです。 地方都市の中小百貨店だけでなく、大手百貨店も閉店が避けられなくなっています。2020年8月にも大手そごうの徳島店が閉店する予定です。 今後百貨店が生き残るには、競合するインターネット通販にはない強みを出していく必要があります。イベントや催事で人を集めたり、独自商品でファンを増やしていくなど、実店舗ならではの特色を活かした経営が急務となるでしょう。