追加関税措置発動前

そもそも「ドナルド・トランプ」アメリカ大統領は大統領選挙のときから中国との貿易不均衡問題を大きく取り上げていました。彼が唱える「アメリカファースト」の考え方に沿った主張です。 2017年複数回両国の首脳会談が行われ貿易不均衡を解消する基本的な方向性は確認されましたが、閣僚級による具体的な折衝では成果を上げることができず、交渉は進展しませんでした。 2018年に入ってアメリカは太陽光パネルや鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税措置を発表します。これは中国のみを狙い撃ちにしたものではなく、日本も含む多くの国を対象としたものでしたが、中国はこれに対する報復措置として追加関税措置の計画を発表します。

追加関税措置発動(貿易戦争開戦)と休戦

「米中貿易戦争」の引き金を直接引いたのはアメリカでした。アメリカは2018年7月に中国からの輸入品818品目に対して340億ドルの追加関税措置を発動したのです。中国はすぐさまこれに対抗して同規模の対米追加関税措置を発動しました。 その後もアメリカと中国のチキンレースは続き、2018年8月と9月にアメリカはそれぞれ160億ドルと2,000億ドルの対中追加関税措置を発動しました。中国もこれに対抗してそれぞれ160億ドルと600億ドルの対米追加関税措置を発動しました。 2018年10月「マイク・ペンス」アメリカ副大統領はハドソン研究所の講演で強く中国を非難し、株式市場も世界同時株安になりました。以後、アメリカと中国は断続的に交渉を続け、同年12月に両国の首脳会議が開かれ、90日間の期限付きでこれ以上の追加関税措置を発動しない旨の合意がなされました。

休戦の解消と泥沼化

2019年2月トランプ大統領は90日間の休戦期間の延長をさせることを発表しました。 しなしながら、その後もアメリカと中国の交渉は決裂が続き、ファーウェイ問題も含めて「米中貿易戦争」は泥沼化の様相を見せています。 中国はアメリカが中国に大きく依存しているレアアースを対米報復措置の武器として使うことを示唆し、アメリカがこれに対する反発を強めており、このままでは中国からの全ての輸入品に追加関税をかけるアメリカによる第四弾の追加関税措置発動が避けられない状態になりつつあります。

米中貿易戦争の日本への影響

(画像:Unsplash

今日世界経済は太いパイプでつながっています。「米中貿易戦争」がアメリカ・中国間の問題だけで済むわけがありません。 日本が被る最大の被害は自動車産業ではないかといわれています。中国における日本企業の現地生産の規模は自動車産業が最大です。「米中貿易戦争」の影響で中国経済が減速すれば日本の自動車産業は大きな影響を受けるでしょう。 また現在中国に向いているアメリカの矛先が日本に向けられ、日本からの自動車に追加関税がかけられると現在日本経済を牽引している自動車産業の国際競争力は大きく低下し、日本経済全体への影響は計り知れません。