「油を絞る」の意味は「誰かのことをとても叱る」

(画像:Unsplash

「油を絞る」とは「誰かのことをとても叱る」という意味。「油を絞ってやった」「油を絞られた」という形で、日常会話でもたいへんよく使われる表現です。 特に、親子、教師と生徒、会社の上司と部下、といった緊密な人間関係において、この言葉が使われることが多いと言えます。 ここでは、「油を絞る」の語源や正しい使い方をご紹介しましょう。

「油を絞る」の語源や由来

(画像:Unsplash

「油を絞る」という表現は、菜種などからその油を絞り取ることに由来します。 植物から油を採取するには、かなりの圧力をかけて絞り出さなければなりません。その「力を込めてグイグイ締め上げ、無理やり油を絞り出す」というイメージが、「叱る」という意味につながりました。 なお、江戸時代には「油を絞る」は、主に「お金を絞り取る」という意味で使われていましたが、明治以降はもっぱら「激しく叱る」という意味で使われるようになりました。 ところで、「しぼる」には「絞る」と「搾る」という漢字がありますが、これらは微妙に意味が異なります。「絞る」は「糸へん」ですが、これは「ぞうきんを絞る」というときに使われる字で、糸を交差させるように、両手でねじって液体を絞り出すときに主に使います。 一方「搾る」は「手へん」ですが、これは手で抑え込むようにして液体を出すことで、「牛乳を搾る」は、こちらを使用します。 「油を絞る」は「絞る」の字を使います。これはきちんと押さえておきましょう。

「油を絞る」の使い方と例文

(画像:Unsplash

「油を絞る」は「とても叱る」という意味ですが、「叱る」ことの意味をきちんと理解しないと、使い方を誤る場合があります。 「叱る」は、単に「怒る」ことを意味するわけではありません。相手の誤りを正すため、という隠された意味があります。 『「叱る」は人のため、「怒る」は自分のため』という言葉があるように、「油を絞る」=「叱る」は、決して自分の感情を相手にぶつけるだけの事ではないということを理解しておきましょう。その点に気を付けて、使い方をご覧ください。

「油を絞る」の使い方

「油を絞る」は、どちらかというと激しく叱られた側が使うことの多い表現なので、「油を絞られた」という受動態で使われることが多いと言えます。 そして、叱られるのには、あくまでもきちんとした理由があってのことで、その理由を叱る側も叱られる側も理解しているという状況が前提となります。 まったく心当たりのない事柄で強く叱られても、「油を絞られた」という表現にはなりませんし、また、感情にまかせて怒ったというだけでは「油をしぼってやった」という表現にはなりません。 絞る側、絞られる側、そこには、ある種の人間のつながりが感じられます。絞る側は、親や先生、コーチ、監督、上司など。そして絞られる側は、子供、生徒、選手、社員というケースがほとんどです。ある意味、「愛」が感じられる表現とも言えます。