問われる商船三井の対応

この事故を受けて、商船三井の株価は3%超安を記録するなど市場からは厳しい視線を投げかけられています。商船三井の小野社長は燃料の流出を最小限に抑えるととおに油の除去に取り組む考えを示していますが、商船三井の具体的な今後の対応が問われています。

現地への社員派遣もどこまで対応可能か?

商船三井はこの事故への対応として、8月11日にPCR検査において陰性結果が確認できた社員6名をモーリシャスに向けて派遣したと発表しています。 この社員は情報収集や重油の回収支援にあたるとみられていますが、8月9日の時点で重油は約50トンしか回収できておらず、この6人の派遣でどこまで重油の流出の抑制と回収を促すことができるのか不透明な状況が続いています。

損害賠償額は未知数

モーリシャス政府は貨物船「わかしお」の船主に対して損害賠償を求める方針を明らかにしています。 一般的に、流出事故の賠償は船主が負うことが原則となっています。今回の貨物船「わかしお」は長鋪汽船株式会社が船主となっており、商船三井には直接の賠償責任はありません。 また、海難事故に関する責任を定めた船主責任制限条約とバンカー条約に基づけば、長鋪汽船が負担する賠償額は20億円程度が上限となる可能性があります。しかしながら、船主側に重大な過失があれば上限を超える請求が認められることもあるため、長鋪汽船の過失によっては損害賠償が大きく膨らむ可能性も残されています。

商船三井のみならず日本への風当たりが強くなる恐れ

この重油流出事故によってモーリシャスの環境が破壊され、観光産業や漁業に大きな打撃が加えられることになれば、運航主である商船三井や船主である長鋪汽船だけでなく、日本への風当たりも強くなる可能性もあります。 そのため、流出による影響を食い止めるための商船三井や長鋪汽船の早急で真摯な対応が求められます。