ルーホッラー・ホメイニーにより五十嵐一氏に対し死刑宣告がされた

1989年2月にイランの最高指導者ルーホッラーホメイニー師が「悪魔の詩」の著者と出版社などに対し死刑宣告を行いました。 イラン最高指導者はイスラム法学者の専門者会議が選出する国家元首かつ宗教指導者です。イラン大統領は他国の首相に相当し、最高指導者が大統領に該当します。 死刑宣告はイスラム法のファトワーに基づくもので五十嵐一氏も対象者です。1989年6月3日にルーホッラーホメイニー師が死亡し、本人しか撤回できないファトワーは永久に有効となりました。

悪魔の詩訳者殺人事件の犯人

「悪魔の詩」訳者の殺害犯は2006年7月11日に公訴時効が成立しました。時効期間は容疑者が日本にいる時だけカウントされるため犯人が出国していない前提で捜査が行われました。 しかし状況証拠が示すのは犯人が外国籍である疑いです。事件の犯人像に迫ってみましょう。

外国人籍で海外逃亡をした可能性が高い

悪魔の詩訳者殺人事件の犯人である可能性が高いのは、状況証拠から考えて外国籍で海外逃亡した人物です。 五十嵐一氏は前述の通りイスラム式の方法で殺害されていましたし、殺害現場には中国製のカンフーシューズが残されていました。 「週刊文春」1998年4月30日号の記事によると「悪魔の詩」訳者の五十嵐一氏を殺害したのは外国人と特定されたものの、外交問題化を恐れた日本政府の意向で捜査が打ち切られたとされています。

留学生である可能性

事件の犯人としてバングラデシュ人留学生説があります。この留学生は事件当日に日本を出国するなど不審な点がありました。 バングラデシュは18世紀末にインドと共にイギリスに植民地支配され1971年に独立したイスラム教国です。比較的親日的なため日本政府が関係悪化を恐れた可能性があります。 もっとも悪魔の詩訳者殺人事件の犯人は確定しておらず、留学生説の根拠が週刊誌報道であることに留意が必要です。