沽券とは

「沽券」という言葉には、女性より男性が使う頻度が高い印象があります。ビジネスや法廷がテーマの映画やドラマのセリフでも、「沽券」が使われる機会が多いです。しかし、若者が日常的に使う言葉ではありません。 そこでまず、「沽券」の読み方や意味について知ることから始めましょう。

沽券の読み方は「こけん」

「沽券」は「沽」と「券」という2つの漢字でできています。「沽」は音読みだと「こ」、訓読みだと「う(る)」「か(う)」と読みます。「券」は音読みだと「けん」、訓読みだと「てがた」「わりふ」といいます。 「沽券」は両方を音読みするので、「こけん」といいます。文面で見かけるよりも、会話の中で使われることが多いでしょう。

沽券の意味は「人の値打ちや面目」

「沽券」は、人間の「値打ち」「面目」「体面」「品位」などを意味する言葉です。その人が持っている「品位」あるいは周囲が感じている「値打ち」「面目」を表現しています。中でも「品位」は、社会的地位が高いことを意味します。 そもそも「沽」には「売買する」「値」「値打ち」という意味があります。そして「券」は「証文」を表しています。かつては「土地や物品の売買契約書」という意味で使われていましたが、現在は意味が変わっています。

沽券の語源

「沽券」の語源は平安時代にあります。平安時代にはすでに、土地の売買契約書が存在しました。それが「沽券」です。「沽券」には土地の権利者や家屋の有無、売買された際の金額などが記されており、価値を証明する書類として認識されてたのです。 しかし木造建築された家屋は焼失することも多く、江戸時代には土地の価値を記す書類になりました。そして「沽券」は「財産としての土地を持つ町人の身分証明」と、とらえられるようになります。それが「人間の値打ちや品格」という意味で、「沽券」が用いられるようになった所以(ゆえん)です。