ディオバン事件の全貌を解説!裁判の判決まで細かく紹介します!

経済

2019年10月6日

かねてから医薬品の臨床研究には研究機関と企業との不適切な関係が指摘される場合がありました。利益相反は産学連携における古くて新しい課題なのです。今回ビズキャリオンラインでは医薬品業界を揺るがせた「ディオバン事件」をとりあげます。事件が起きた経緯や裁判の状況についても迫ります。

1分でわかるディオバン事件

ディオバンとは

  • 高血圧の治療薬「ディバオン」の論文に不正データ
  • 臨床研究には製薬会社社員が関与
  • 5大学から発表された論文は全て撤回

「ディオバン事件」は、高血圧の治療薬「ディオバン」の臨床研究をまとめた論文に、製薬メーカー社員が関与した不適切なデータが使用されていた不正事件です。 なお、ディバオンの論文は京都府立大学、東京慈恵会医科大学、滋賀医科大学、千葉大学、名古屋大学から発表されていますが、全てが撤回される異例の事態となりました。

ディオバン事件の概要

「ディオバン事件」の問題は発表された論文の根拠となるデータが不適切であったことだけでなく、臨床研究に大学黙認のもと製薬メーカー社員が参加していたことが隠ぺいされたことです。 そこで、なぜ製薬メーカー社員が臨床研究に参加してはいけないのか、また、論文はどうして撤回されたのかなど「ディオバン事件」の概要を説明します。

治療薬ディオバンに関する不正事件ん

「ディオバン事件」は高血圧治療薬ディオバン(ノバルティスファーマ社)に関する臨床データが、製薬メーカー社員によって不適切に操作されたものであることが発覚した不正事件です。 ディオバンの国内販売は2000年に認可されており、国内では年間1,000億円の売り上げがあっただけでなく、欧米などでも製造・販売されています。 しかし、製薬メーカー社員が関与したデータを使用した論文が販売促進に使われていたとして、世界各国から批判を浴びることになりました。

ノバルティスファーマ社の社員による利益相反問題

「ディオバン事件」の大きな問題はデータ改ざんだけでなく、ディオバンを販売するノバルティスファーマ社社員が大学の臨床研究に関わっていた「利益相反問題」である点です。 臨床研究に関わった社員は既にノバルティスファーマ社を退社していますが、実質的に臨床研究の携わっていたことは裁判でも明らかにされています。 つまり、製薬メーカーが不適切に改ざんしたデータを使用した論文で販売促進を行うと誇大広告となり、旧薬事法違反の疑いが出てくるのです。

関連する論文が撤回された

ディバオンのデータが不適切であることが指摘されると、各大学や関係機関では内部調査を行わざるを得なくなります。 千葉大学における内部調査では、データにミスはあるものの不正はなかったとする中間報告が出されましたが、再度専門医などからデータの矛盾を指摘され、ますます疑惑は深まるばかりでした。 その結果、千葉大学は論文の撤回を余儀なくされ、その他の大学においても関連する論文が次々に撤回される事態となるのです。

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