「春眠暁を覚えず」の意味と由来

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日本に住んでいれば、一度は耳にしたことがあるだろう言葉『春眠暁を覚えず』。ですが、聞いたことはあっても、正確な意味や由来を詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか。本記事では『春眠暁を覚えず』という、言葉について詳しく解説していきます。

「春眠暁を覚えず」の意味は「春の夜は寝心地がよく、朝がきたのも忘れて寝過ごしてしまう」

『春眠暁を覚えず』は、「しゅんみん あかつきを おぼえず」と読み、 「春の夜は寝心地がよく、朝がきたのも忘れて寝過ごしてしまう」 という意味です。 単語ごとに小間切れにして考えることで、その意味を理解することが出来ます。まず「春眠」が、春の眠りや春の夜の心地よい眠りを表しています。「暁」は、夜明け前や早朝といった時間帯を指す言葉です。 「覚えず」が気が付いたら、知らないうちに……といった、「いつの間にか」というニュアンスを持った言葉になっています。これらの言葉を合わせることで「春の朝はついつい寝坊してしまう」という意味を持った言葉になっているのです。

「春眠暁を覚えず」の由来は『孟浩然』

『春眠暁を覚えず』は、中国唐の時代の詩人・孟浩然(もうこうねん)が詠んだ詩『春暁』に由来しています。孟浩然は、当時の湖北省襄陽の生まれ。科挙(中国で行われていた官吏の登用試験のこと)に失敗し、一時期は山に隠棲していたという経歴を持っています。が、40歳の時に長安に出たことから、詩の才能を認められ、皇帝に会見できるほどの身分になりました。 しかし、詠んだ句の一部が唐の第六代皇帝・玄宗の気にさわったことで追放されてしまいます。孟浩然は、そこから一生役人職に就くことはできず不遇な人生を送ったとされます。故郷に戻った孟浩然は静かに暮らしていましたが、52歳のときに亡くなりました。 伝わっている孟浩然の詩は200余り。中国・唐代の文学史において、同じ時代に活躍した詩人である李白(りはく)・杜甫(とほ)・王維(おうい)らと並んで、盛唐四大家とも呼ばれています。

「春眠暁を覚えず」の漢詩原文と現代語訳

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本項では『春眠暁を覚えず』の由来となる漢詩『春暁』の原文と、その現代語訳を解説します。