「春眠暁を覚えず」の意味や使い方をわかりやすく解説!

ビジネス用語

2019年3月13日

「春眠暁を覚えず」の意味をご存知ですか?「春眠暁を覚えず」は「春の夜は寝心地がよく、朝がきたのも忘れて寝過ごしてしまう」という意味です。しかし意味だけを知っていても、「春眠暁を覚えず」を使いこなすことはできません。そこで今回の記事では「春眠暁を覚えず」の使い方や例文、類語など「春眠暁を覚えず」に関する知識を徹底的に解説しています。ぜひご一読ください!

「春眠暁を覚えず」の意味と由来

日本に住んでいれば、一度は耳にしたことがあるだろう言葉『春眠暁を覚えず』。ですが、聞いたことはあっても、正確な意味や由来を詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか。本記事では『春眠暁を覚えず』という、言葉について詳しく解説していきます。

「春眠暁を覚えず」の意味は「春の夜は寝心地がよく、朝がきたのも忘れて寝過ごしてしまう」

『春眠暁を覚えず』は、「しゅんみん あかつきを おぼえず」と読み、 「春の夜は寝心地がよく、朝がきたのも忘れて寝過ごしてしまう」 という意味です。 単語ごとに小間切れにして考えることで、その意味を理解することが出来ます。まず「春眠」が、春の眠りや春の夜の心地よい眠りを表しています。「暁」は、夜明け前や早朝といった時間帯を指す言葉です。 「覚えず」が気が付いたら、知らないうちに……といった、「いつの間にか」というニュアンスを持った言葉になっています。これらの言葉を合わせることで「春の朝はついつい寝坊してしまう」という意味を持った言葉になっているのです。

「春眠暁を覚えず」の由来は『孟浩然』

『春眠暁を覚えず』は、中国唐の時代の詩人・孟浩然(もうこうねん)が詠んだ詩『春暁』に由来しています。孟浩然は、当時の湖北省襄陽の生まれ。科挙(中国で行われていた官吏の登用試験のこと)に失敗し、一時期は山に隠棲していたという経歴を持っています。が、40歳の時に長安に出たことから、詩の才能を認められ、皇帝に会見できるほどの身分になりました。 しかし、詠んだ句の一部が唐の第六代皇帝・玄宗の気にさわったことで追放されてしまいます。孟浩然は、そこから一生役人職に就くことはできず不遇な人生を送ったとされます。故郷に戻った孟浩然は静かに暮らしていましたが、52歳のときに亡くなりました。 伝わっている孟浩然の詩は200余り。中国・唐代の文学史において、同じ時代に活躍した詩人である李白(りはく)・杜甫(とほ)・王維(おうい)らと並んで、盛唐四大家とも呼ばれています。

「春眠暁を覚えず」の漢詩原文と現代語訳

本項では『春眠暁を覚えず』の由来となる漢詩『春暁』の原文と、その現代語訳を解説します。

「春眠暁を覚えず」の漢詩原文

『春暁』の漢詩原文は、 春 眠 不 覚 暁 処 処 聞 啼 鳥 夜 来 風 雨 声 花 落 知 多 少 です。 漢詩なので左から右に読みましょう。すると、『春眠暁を覚えず』に当たる部分は一番上の段であることが分かります。もう少し分かりやすいように書き下してみると、 春眠暁を覚えず 処処啼鳥を聞く 夜来風雨の声 花落つること知る多少 となります。

「春眠暁を覚えず」の現代語訳

では、『春暁』の漢詩原文を現代語に訳した場合はどうなるのでしょうか。一行ずつ、分けて解説していきます。 春 眠 不 覚 暁 ⇒春の眠りは気持ちがよく、朝が来たことにも気が付かない。 ※前述したとおり「春眠」が春の夜の眠り、「不覚」がいつの間にか、「暁」が夜明けという意味です。 処 処 聞 啼 鳥 ⇒そこかしこから鳥が鳴く声が聞こえてくる。 ※「処処」がそこかしこ、「啼鳥」が鳥の声を表しています。 夜 来 風 雨 声 ⇒昨日の夜は雨と風の音がしていた。 ※「夜来」は昨日の夜、という意味です。 花 落 知 多 少 ⇒どれくらいの花が散ってしまったのか見当もつかない。 ※「多少」がどれくらい、という意味になります。 となります。すべての意味が分かると、とても美しい詩であることが分かりますね。 この『春暁』は、のどかな春の朝の情景をうたっており、爽快な朝の空気や降り注ぐ日の光と聞こえてくる小鳥の鳴き声を感じさせます。夜のうちに吹いていた風で散ってしまった花が、庭に敷きつめられている光景を簡単に思い浮かべることができるでしょう。この詩は、やがて去っていく春へのなごり惜しさを孟浩然が情感たっぷりにうたいあげた詩なのです。 普通、役人であれば朝ゆっくりと寝ていられるほど暇ではありません。なので、この『春暁』は孟浩然が役人を辞めた後に作った詩だろうともいわれています。心に余裕があったからこそ、このようなきれいな詩をよむことが出来たのかもしれません。

「春眠暁を覚えず」の例文

ここでは『春眠暁を覚えず』を日常で使う場合の例文を紹介します。『春眠暁を覚えず』の意味を正しく理解することで、普段の何気ない会話の中でもさらりと使うことができます。 『春眠暁を覚えずで、遅刻してしまった』 『春眠暁を覚えず』の言葉通り、朝寝坊をしてしまった時に使える表現です。ここで注意しておきたいのが、昼寝などの場合、この言葉は使えないという点です。あくまでも、夜の睡眠の場合にだけ使えることを忘れないようにしましょう。また、春以外の季節で使うのも違和感があります。 『春眠暁を覚えずというが、それに負けずに早起きをした』 こちらは「春眠」に負けなかったパターンですね!! ただ単に早起きが出来た、というよりも少しだけ風流な感じが伝わるのではないでしょうか。 また、ビジネスのシーンにおいてはなかなか使うことはありませんが、取引先や上司に対して季節感のあいさつをする時に文面にさらりと入れてみるといいかもしれませんね。メールに『春眠暁を覚えず』の季節ですが~など入れてみると、話題にしてくれるかもしれません。

「春眠暁を覚えず」の言い換え表現は「春の朝寝」

『春眠暁を覚えず』は「春の朝寝」と言い換えることが出来ます。前述した通り、「春の朝、寝過ごしてしまう」のが『春眠暁を覚えず』ですから、言い換えとしては適当ではないでしょうか。 より、『春眠暁を覚えず』に近い表現をするならば、「春の朝寝坊」となります。

まとめ

『春暁』は、4つの句がそれぞれ5文字ずつになっている「五言絶句」という形式の詩です。何気なく聞いたり使っていた『春眠暁を覚えず』ですが、詳しく見てみるとさまざまな要素で構成されていることがわかります。 また、『春眠暁を覚えず』の続きがあること自体を知らなかった人も多いのではないでしょうか。この詩を詠んだ孟浩然は、自然を題材にした詩の評価がとても高い詩人です。この記事を読んで、興味を持った方は孟浩然の他の詩も調べてみると新たな発見がありますよ。 よく眠ることができた夜が明けての春の早朝は、どうしても布団の誘惑から抜け出しづらいモノ。『春眠暁を覚えず』とは言いますが、布団の心地よさに負けて二度寝からの寝坊などしないようにしたいですね。


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