戦々恐々(せんせんきょうきょう)の意味・例文や戦々兢々との違いなどを解説

ビジネス用語

2019年5月6日

「戦々恐々」という言葉はビジネスシーンから日常的なシーンまで様々な場面で使用することができる四字熟語です。今回ビジキャリでは、「戦々恐々」の意味だけでなく使い方や類語、対義語、英語表現まで細かく紹介していきます。これを機に戦々恐々を間違いなく使えるようになりましょう。

戦々恐々(せんせんきょうきょう)とは

「戦々恐々」はビジネスシーンでもプライベートでも一般的によく使われる言葉です。様々なシーンでうまく使いこなすためには正しい意味や類語表現なども押さえておく必要があります。 まずは「戦々恐々」の読み方と意味を見てみましょう。

戦々恐々の読み方は「せんせんきょうきょう」

「戦々恐々」の読み方は「せんせんきょうきょう」です。一般的な「戦」と「恐」の二つの漢字が繰り返されて構成された言葉です。 「戦」は音読みで「セン」、訓読みでは「いくさ・たたか(う)」です。一方の「恐」は音読みで「キョウ」、訓読みでは「おそ(れる)・おそ(ろしい)」と読みます。 「戦々恐々」は二つの漢字とも音読みで二度繰り返して読みます。読み方で特に注意すべき部分はありません。

戦々恐々の意味は「恐れて怯える」

「戦々恐々」の意味は「恐れて怯える」です。 「戦々」は「恐れおののく様」を表し、「恐々」は「恐れかしこまる様」を表します。どちらも「恐れている様」を表す言葉ですから、これが合わされて「何かをとても恐れてビクビクしている様」を表しています。恐れる対象は様々です。人の場合もありますし、出来事のこともあります。 「戦々恐々」の語源は「戦戦兢兢」だとされています。「競」には「畏敬(いけい)」の意味もありますので、「戦々恐々」には「恐れて怯える」意味のほかに「畏(おそ)れ慎んでいる」すなわち「謙虚な気持ちになる」と言う意味もありましたが、今日ではもっぱら「恐れて怯える」意味で使われます。

戦々恐々(せんせんきょうきょう)の様々な表し方

「戦々恐々」には別の表し方があります。「戦戦恐恐」「戦々兢々」「戦戦兢兢」といった表し方ですが、字を見て容易に想像できるように、どれも基本的には間違った表し方ではありません。 「戦々恐々」意外はあまり日常的には見かけませんが、順番に見ていきましょう。

戦戦恐恐

「戦戦恐恐」と「戦々恐々」は同じです。読み方も意味もなにも変わりません。 「々」は「、」や「。」と同じく記号であって漢字ではありません。したがって「々」単独での読みはありません。ただし、「、」や「。」を「読点」「句点」と呼ぶように「々」にも「同の字点」という名前が付いています。「々」の前の字を繰り返すという記号なのです。 「戦戦恐恐」と「戦々恐々」は繰り返し記号を使うか使わないかの違いです。

戦々兢々

「戦々恐々」は「戦々兢々」と書く場合もあります。どちらも間違いではありません。 先に紹介したように「戦々恐々」の語源は「戦戦兢兢」ですから、元々は「戦戦兢兢(戦々兢々)だったのですが、やがて「競」の字の代わりに同じ音の「恐」が使われるようになり、現在では「戦々恐々」の方が一般的になっています。 「競」の字は人が並んで神に祈っている様子が漢字になったもので、「競」には「畏敬(いけい)」の意味もあることから、「戦々兢々」と書く場合は「畏(おそ)れ慎んでいる」すなわち「謙虚な気持ちになる」というニュアンスも含まれることになります。

戦戦兢兢

「戦々恐々」の語源である「戦戦兢兢」という言葉が初めて使われたのは中国の詩経という書物です。以下のような記述があります。

・戦戦兢兢 如臨深淵 如履薄氷 深い淵をのぞきこむ時のように、また薄い氷の上を歩く時のように、こわごわと慎重に行動すること。【出典】広辞苑

例文では深い淵をのぞき込むことと薄い氷の上を歩くことを例えにあげて、「恐れ・怯えるようにする」意味で「戦戦兢兢」が使われています。「戦戦兢兢」と「戦々兢々」は全く同じで、「謙虚な気持ちになる」というニュアンスも含まれています。

戦々恐々(せんせんきょうきょう)の使い方と例文

ここまでで「戦々恐々」の基本的なことは理解できましたでしょうか。幾つかの書き方があって少し混乱したかもしれません。しっかり頭を整理しておきましょう。 ここからは応用編です。まずは「戦々恐々」の具体的な使い方を例文をまじえて解説します。

例文①戦々恐々としている

最初は「戦々兢々としている」という使い方です。「戦々恐々」の使い方で最も一般的な表現といえます。 ・彼はことの重大さにやっと気づいて「戦々恐々としている」ようだ。 ・社長からの雷がいつ落ちるか社員は「戦々恐々としている」毎日を送っている。 「戦々恐々としている」は「恐れ・怯えている」状況や様子を表す際に使われます。例文では状態に「恐れ・怯えている」ケースと、人に「恐れ・怯えている」ケースの両方を表現しています。

例文②戦々恐々と~する

次は「戦々恐々と~する」という使い方です。なにかをする動詞とセットで使う表現です。 ・戦々恐々とことを進めるのが唯一の解決方法だ。 ・あのとき我々は暗い洞窟の中を戦々恐々と歩き続けたのだ。 「戦々恐々と」の後にはなにかをする動詞が来ます。その行動が「恐れ・怯えながら」なされている状態を表します。例文ではどちらも「恐れ・怯えながら」ことを進めたり、歩いたりしています。

戦々恐々(せんせんきょうきょう)の類語とその違い

「戦々恐々」には類語表現が幾つかあります。「小心翼々(しょうしんよくよく)」「恐る恐る」「戦戦慄慄(せんせんりつりつ)」などですが、どれも同じ言葉が繰り返された言葉になっていますね。 それぞれ「戦々恐々」とのニュアンスの違いなどを見ていきましょう。

小心翼々

最初の類語は「小心翼々」です。「しょうしんよくよく」と読みます。「小心翼々」は「気が小さくビクビクしている様」を意味し、「戦々恐々」より批判的なニュアンスが強い言葉です。 「小心」は「注意深く慎み深いこと」を意味し、「翼々」も「慎み深い・うやうやしい様」を意味します。二つの言葉が重なることにより「おどおど・ビクビクしている様」が強調されています。 それぞれの字の意味にもあるように「小心翼々」は元々「細かい気配りの慎み深いこと」の意味でしたが、これが転じて現代では「気が小さくて臆病」な意味として批判的な言葉に使われています。

恐る恐る

「恐る恐る」は日常的によく使われる言葉です。「こわがりながら・こわごわ」という意味で、「恐れながらなにかをする(しようとする)」表現として使われます。 「恐る恐る吊り橋を渡る。」「恐る恐る社長に直訴した。」など、非常に使いやすい言葉といえます。 「恐る恐る」はなにかをする動詞の修飾をする言葉として使われます。「恐る恐る」は「戦々恐々」と意味も使い方もほとんど同じですが、「戦々恐々」よりもより口語的な使い方をします。

戦戦慄慄

「戦戦慄慄」は「せんせんりつりつ」と読みます。「戦慄(せんりつ)」といった方がわかりやすいかもしれません。 「戦戦慄慄」の意味は「恐怖で震えてビクビクする様」です。「戦慄」の意味は「恐怖で震える」ですから、「戦慄」の二つの漢字を重ねることによって、より強調した表現としたものと理解しましょう。 ニュアンスとしては「戦々恐々」よりもやや恐怖感が強いイメージですが、ほとんど同じ使い方ができます。

戦々恐々(せんせんきょうきょう)の対義語

「戦々恐々」の対義語としては「泰然自若」「大胆不敵」があります。この二つにはニュアンスの違いがありますので気を付けましょう。 「泰然自若」は「たいぜんじじゃく」と読みます。「物事に動じない」「ゆったりと落ち着いた」という意味の四字熟語です。「戦々恐々」の対義語としては最もふさわしい表現です。 「大胆不敵」は「だいたんふてき」と読みます。「度胸がすわっていて、まったく恐れない」という意味の四字熟語です。広い意味では「戦々恐々」の対義語として構いませんが、「大胆不敵」の「まったく恐れない」と「泰然自若」の「ゆったりと落ち着いた」とはニュアンスが異なりますので気を付けましょう。

戦々恐々(せんせんきょうきょう)の英語

「戦々恐々」の英語表現としては「trembling with fear」「filled with trepidation」などが使われます。 ・He trembled with fear that the scandal would come to light. (彼はスキャンダルが露見するのを戦々恐々としていた。) 「tremble with」で「何かに動揺する・身震いする」を意味しますので、「tremble with fear」で「恐怖に震えてビクビクする」すなわち「戦々恐々とする」になります。

まとめ

今回は「戦々恐々」を詳しく解説しました。一般的には「恐る恐る」などの方が使いやすいですが、文章などで少しあらたまった表現をしたいときなどにうまく活用しましょう。 それにしても日常生活やビジネスシーンでは、あまり「戦々恐々」となる事態は可能な限り避けたいものですね。


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