日本住血吸虫症はその他の地域でも発症

昔の甲府盆地の人たちは知りませんでしたが、実は地方病は山梨県・甲府盆地だけの風土病ではありませんでした。地方病は川に沿った村で発病することが解明され、日本では甲府盆地を含む6水系で発生していました。 日本住血吸虫症と病名に日本名がついているため地方病は日本特有の風土病と考えられがちですが、日本名がついているのは世界で最初に日本で発見されたためです。地方病は中国、フィリピン、インドネシアほか多くの国で多数流行しています。

地方病の原因解明の経緯

世界中で地方病の撲滅に成功したのは日本だけです。地方病撲滅までには先人達の長い苦労の歴史がありました。住民達の切実な訴えに対して先人達はどのようにして地方病の原因を突き止め撲滅させていったのでしょうか。

嘆願書によって調査が開始

地方病の原因究明と対策への動きが始まったのは1881年でした。地元から切実な嘆願書が役所に提出されました。嘆願書には地方病の原因究明と救済が書かれていました。 嘆願書を受けて行政が重い腰を上げたのを機に多くの研究者も動き出し、地方病の患者の肝臓に異常があることと、その異常が寄生虫によって起こっていることがわかってきました。

ある患者が献体、門脈の肥大化の発見

吉岡順作氏は地方病に罹った患者を地図におとして、患者は川近くの村々で発生していることを突き止めました。さらに彼は地方病の患者は肝臓に異常があることも発見しました。 地方病が川に関係することと肝臓に異常があることはわかりましたが、それ以上の進展はある女性患者の献体を待つしかありませんでした。命をかけた女性の協力によって当時タブー化していた人体解剖が実現し、地方病患者の肝門脈が肥大化していることが突き止められました。