石井さん宅に住み込みで働いていた従業員Kの存在

賢一さんの姪は、両親が離婚したことをきっかけに、学生時代には荒れた行動をとるようになりましたが、面倒見のよい賢一さんがその世話をしていたようです。 姪が暴走族と関係をもつようにもあり、この時に出会ったのがKという人物でした。Kは姪に、労働の場所として賢一さんの建築会社を紹介してもらい、住み込みで働くようになります。 それのみならず石井家の1階の部屋でKと姪は一緒に同居することになったのです。傍から見る限りは家族同然のつながりであったといえるでしょう。事件当時、姪は17歳でKは20歳でした。

石井賢一さんに対する恨みを持っていた可能性

Kは石井家に同居していたとはいえ、賢一さんとの仲は良好なものではなかったといわれています。事件の当日、Kは姪と一緒に旅行に出る予定でした。 しかし、旅行日の前日になって急に賢一さんがKに仕事を言いつけて、旅行には出かけられなくなったのです。Kはこのことに腹を立てて賢一さんを衝動的に恨んでいたのではないかと考えられました。 そのほか、何度かシンナーを吸っていたKは賢一さんに厳しく叱られたこともあり、人間的にも問題があった人物だったようです。しかし、それだけでは動機としては弱い印象があるでしょう。

事件当日の不可解な言動

Kが疑われたのは、事件当日の夜から朝にかけて家を不在にするという不可解な言動も原因でした。 Kは事件当日の夜10時半ごろに外出し、その翌朝6時30分に外出先から帰宅してきました。K曰く「友人に会うために郡山に向かい、船引駅に着くと、タクシーを拾って行った。郡山にその友人は現れず、始発で帰ってきた」とのこと。 旅行の予定がキャンセルとなって、予定が空いたので友人と会うこと自体は不思議な行動でもなんでもありませんが、結局会えず、しかも明け方にようやく帰ってくるという行動は周囲の疑いを集めたのです。