猿払事件を判例を用いてわかりやすく解説します!争点や違憲まで幅広くお伝え!

経済

2019年10月14日

「猿払事件」では国家公務員の政治的行為の禁止と人権の関係が争われました。一般の国民にとってはさほど関心の高い事件ではなかったかもしれませんが、憲法解釈上は非常に重要な事件です。今回ビズキャリオンラインではこの「猿払事件」をとりあげます。憲法解釈をできるだけかみ砕いて解説します。

1分でわかる猿払事件

すぐわかる、「猿払事件」はこんな事件

  • 「猿払事件」は国家公務員の政治的行為が発端 
  • 国家公務員の政治的行為の制限は憲法違反であるか否かが争点
  • 原告が敗訴し罰金が科せられた判決は大きな批判を浴びた

「猿払事件」は北海道猿払村に勤める郵政事務官が、ある特定政党の候補者ポスターを掲示したことが国家公務員法で制限されている政治的行為と見なされたことが発端です。 しかし政治的行為を制限することは表現の自由を保障する憲法に違反するとして争いが起こります。最終的に公務員の人権を訴えた原告側が敗訴し罰金刑を科せられたことが大きな批判を浴びた事件です。

猿払事件の概要

「猿払事件」は昭和42年に発生しています。北海道猿払村にある郵便局の郵政事務官が国家公務員法で制限されている政治的行為を行ったとして起訴されました。 しかし、郵政事務次官側は非管理職であったこともあり、憲法21条表現の自由を主張し違憲であると反論します。公務員の政治的行為の規制は違憲かを争点とし公務員の人権が問われることになった事件です。

国家公務員である郵政事務官が選挙ポスターを掲載した

「猿払事件」の発端は猿仏村にある郵便局の郵政事務官が、昭和42年の衆議院議員選挙が行われた際日本社会党を応援する為に6枚のポスターを公営掲示場に掲載したことです。 そればかりでなく他者に依頼しポスターの配布も行っていました。 国家公務員は国家公務員法102条によって政治的行為が制限されています。そのため郵政事務官の行為は特定の候補を支持する政治的行為とみなされ、国家公務員法に違反していると処罰の対象となったのです。

国家公務員は政治的な活動を禁止されている

公務員は憲法15条2項において国民全体の奉仕者であると明記されています。すなわち公務員は国民全体の共同利益のために働く人達ということです。 そのため公務員は国民の一部だけの利益になるような行為を認められていません。政治的な活動は国民の一部である政党や議員の利益のための行動なので制限されているのです。 また政治的に中立が求められていることも禁止理由の一つといえるでしょう。公務員は政治勢力や政権に左右されることなく常に中立の存在でなければならないのです。

国家公務員が政治的な活動を禁止されている事が違憲であるとの主張がなされる

公務員法違反を問われた郵政事務官は刑罰を不服として、国家公務員の政治的活動の禁止を憲法21条違反であると訴えたのです。 憲法21条は表現の自由を保障するものであり、国民は好きな時、好きな場所、好きな方法で好きなことが言える権利があるとしています。国家公務員の政治的行為の禁止はこの権利を侵害するもので違憲であると主張しました。 また合わせて憲法13条、個人の尊重にも反しているとして争いが起こりました。

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