パナマ文書の流出

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2016年5月に南ドイツ新聞がスクープ記事を発表し、パナマ文書の流出が明らかとなりました。これにより世界各国の政治家や企業が租税回避をしていた事実が公表されて大きな批判を呼び、世界経済を揺るがす事態を引き起こします。 ここではパナマ文書が流出した経緯と影響について、詳述します。

モサックフォンセカ法律事務所の顧客情報が流出

「パナマ文書」とはモサックフォンセカ法律事務所から流出した顧客情報のことです。そこにはパナマをオフショア金融センターとして利用するために設立された、多数のペーパーカンパニーに関する機密情報が記載されていました。 その顧客情報にはロシアのプーチン大統領・中国の習近平国家主席・イギリスのキャメロン首相など、各国トップの名前もありました。オフショア金融センター自体を各国のトップが利用して税金の支払いを逃れていたのです。 モサックフォンセカ法律事務所はパナマにあり他国からの情報開示に応じていませんでしたが、パナマ文書という証拠と共に事実が明るみに出ました。

モサックフォンセカ法律事務所は業務停止

モサックフォンセカ法律事務所はパナマ文書の流出を受けて、「原因は外部からのハッキングによるもの」と説明しました。しかし約21万4000社にも及ぶペーパーカンパニーの電子メール並びに契約書、スキャン文書が流出した事実が変わることはありません。 2016年6月にはモサックフォンセカ法律事務所ジュネーブ事業所のIT技術者を、スイス当局が機密文書漏洩容疑で拘束しています。また2017年2月にはモサックフォンセカ法律事務所の経営者2名を、パナマ検察が逮捕しました。 世界的にマスコミでバッシングされたこともあり経営を立て直すことができず、モサックフォンセカ法律事務所は2018年3月14日に営業停止を発表しています。

日本企業では伊藤忠商事、電通のほか有名企業の代表の名前が記載

「パナマ文書」には日本の企業や個人の情報が、400程度含まれていたといわれています。2016年4月26日には株主あるいは役員として日本企業名を含んでいるペーパーカンパニーが、270法人もあることが明るみに出ます。 同年5月10日には270法人の中に伊藤忠商事や電通などの有名企業の他、UCCグループや楽天の代表者の名前が記載されていることが判明しました。しかしその大半はビジネスにおいて出資するための手段で、租税回避が目的ではないとコメントを出しました。 また民進党の石関貴史氏の資金管理団体で会計担当者を務めた男性の名前が「パナマ文書」に載っていたと報じられましたが、石関事務所は関与を否定しています。