成功裏(せいこうり)と「成功裡」の違いや成功裏の意味や使い方まで丁寧に解説します!

ビジネス用語

2019年5月11日

「成功裏(せいこうり)」はビジネスシーンにおいて知っておいた方がよい言葉の1つですが、あまり使う機会が多くないので、意味を知らない方も多いかもしれません。今回ビジキャリでは「成功裏」を取り上げます。「成功裡」との違いも解説するので、ぜひご一読ください。

成功裏(せいこうり)の意味は「成功と呼ぶにふさわしい状況、状態」

「成功裏(せいこうり)」は「物事が成功したといってふさわしい状況あるいは状態にあること」を意味します。そこには「ミスやトラブルがあってもそれを鎮める」という、前提があることを忘れてはいけません。 「裏」という字が使われているため、「成功」の対義語である「失敗」を指すと思っている人も多いようですがそれは間違いです。 「成功裏」には、「成功」と「裏」という2つの言葉が含まれています。「成功」は「思いのままに物事をやり遂げる」、「裏」は「物事の状況や状態」「~のうちに」を指します。「成功裏」における「おおむね成功といって差し支えない」という意味は、双方の意味を汲んでいます。 意味を理解するうえでのポイントは、「成功といってもいい」という曖昧さがあることです。そこが「成功」と大きく違います。「成功といっても言い過ぎにならない許容範囲」という意味だと、とらえておきましょう。

成功裏の方が成功裡より一般的

パソコンを使っていると、「成功裏」が「成功裡」と変換されることがあります。「成功裡」も、正しい漢字表記です。しかし現代では「成功裏」が正しい国語表記です。古来の日本では「成功裡」が常用されていました。「成功裏」に代わったのは、「裡」が常用漢字から除外されたことがきっかけです。 「裡」は「物事の裏」「ある状態の内側」という、「~のうちに」以外の意味もあわせ持ちます。そう聞くとニュアンスが違うように感じますが、同じことです。 しかしビジネスシーンや試験では間違いだと認識されるので、注意が必要です。知識として頭に入れておくと、世間話のネタになるかもしれません。この機会に「成功裏」の表記を覚えておきましょう。

成功裏(せいこうり)の使い方と例文

「成功裏」は普通、成句を用いた使い方をします。成句とは、決まり文句として使われる言葉のことをいいます。 ここでは「成功裏に終わる」と「成功裏に収める」「成功裏に進む」という使用頻度の高い3つの成句を取り上げ、例文と共に使い方を説明します。ビジネスシーンによって適切な使い方が異なるので、配慮が不可欠です。合わせて簡単に間違った使い方にも触れるので、覚えて日常生活の中で役立ててください。

例文①成功裏に終わる

「成功裏に終わる」は、「無事に終わる」「良い結果で終わる」ことを表した成句です。 ・最後の個展が成功裏に終わると自然にスタッフから拍手が巻き起こりました。 ・課題や反省点もありますが、プロジェクトは成功裏に終わることができました。 「成功裏に終わる」には、「ミスやトラブルなどもあったけれど、おおむね良い結果で終わった」ことを表し、「安心した」というニュアンスが含まれます。 まれに「成功裏のうちに終わる」という使い方をしている人がいますが、「成功裏」は「~のうちに」という意味を持つので重複表現なので間違った使い方です。

例文②成功裏に収める

「成功裏に収める」は、「成功しているといっていい状態の成果をあげる」ことを表しています。 ・多少のトラブルはありましたが、プロジェクトを成功裡に収めることができ評価につながるはずです。 ・クレームが入った時にはどうなることかと思いましたが、大きなトラブルに発展することなく成功裏に収められてホッとしました。 「成功裡に収める」には「成功といえる状態にするために、もめごとやトラブルを鎮めた」というニュアンスが加わります。そのため、スムーズに進行できた時には使いません。また、反省を促す皮肉として用いるケースもあります。 ビジネスシーンでは「成功」と断言できない時に使うと覚えておくと、報告時などに便利です。業務上で結果は出たもののプロセスに問題があった際などに、使ってみてください。

例文③成功裏に進む

「成功裏に進む」には、「ためらわずに進む」「トラブルなく進む」という意味があります。 ・難航すると予想されていた企画ですが成功裏に進めることができ、社長賞をいただきました。 ・株主総会は荒れるだろうと覚悟していましたが、成功裏に進むという予想外の展開で終了しました。 「成功裏に進む」には、「意外だけれど成功といえる状態になった」というニュアンスがあります。「成功裏」を用いた成句は大半がネガティブな表現ですが、「成功裏に進む」は、ポジティブさを感じる表現です。 しかし社内で部下に使う分には問題ありませんが、クライアントに対して使うのは失礼な表現なことに変わりはありません。少しでもミスやトラブル、もめ事があった時には適さない表現だと覚えておきましょう。

成功裏の類語

「成功裏」には「成功する」「うまくいく」「実を結ぶ」「成り立つ」「結実する」など様々な類語があります。「成功のうちに」や「滞りなく」「上出来」「チャンスをものにする」なども、「成功裏」の類語と考えられます。 ここでは特に使用頻度の高い「成功する」「うまくいく」「実を結ぶ」を取り上げ、例文を交えながら「成功裏」と比較して説明します。類語は同義語ではないので、それぞれの意味を知り適切に使ってください。

成功裏と成功するの違い

「成功裏」は「成功といっても過言ではない状況」を意味します。しかし「成功」は、「物事をやり遂げる」「思い通りの結果を出す」ことを意味します。 ・努力を積み重ねて成功した彼を、私は尊敬しています。 ・プレゼンの準備は十分とはいえませんんでしたが、コンペは成功したので満足しています。 「成功裏」には「おおむねうまくいった」というニュアンスがありますが、「成功」は「何事もなく終わった」際に使われます。正しい意味を理解して、適切に使い分けてください。

成功裏とうまくいくの違い

「成功裏」は「多少の失敗があっても成功といえる」という状況で用いられる表現です。一方の「うまくいく」は、「不安要素があったものの結果的に成功した」という意味です。 ・2人は知り合ってすぐに結婚したけれど、うまくいくと思っていました。 ・彼はわからないことは納得いくまで調べる人なので、未経験の仕事でもうまくいくはずです。 「うまくいく」は、「失敗するかもしれないと心配していたが成功した」場合に使われます。一方の「成功裏」には「失敗やトラブルがあった」というニュアンスが含まれるところが、「うまくいく」とは異なります。状況によって「成功裏」と使い分けましょう。

成功裏と実を結ぶの違い

「成功裏」は「成功といってもよい状態」を指します。一方の「実を結ぶ」は「努力や苦労をしたから、良い結果として表れる」という意味を持ちます。 ・毎日コツコツと勉強したことが実を結び、第一志望の大学に合格できました。 ・何度袖にされてもクライアントに通い続けたことが実を結び、新規契約を勝ち取ることができました。 「成功裏」には多めに見る感じが含まれますが、「実を結ぶ」には努力や苦労の結果を褒めるというニュアンスがあります。この2つも似て非なる表現なので、正しく使い分けましょう。

成功裏の英語は「succeed」

「成功裏」を英語で表現しようとする場合、「succeed」が用いられることが多いです。「succeed」には「成功する」「うまくいく」という意味があります。 ・The top secret project succeeded beyond all expectation (極秘プロジェクトは思いの外成功裡に実施されました。) ・They succeeded in its discovery. (彼らはは発見にに成功しました。) 「succeed」を直訳すると「成功する」と表されるので、前後の文意を考えて使うよう注意が必要です。また「success」の副詞系である「successfully」が用いられることもあります。どちらも直訳ではないので、文脈にそって選びましょう。

まとめ

ビジネスシーンでも使う機会の多い「成功裏」の意味と使い方について説明してきましたが、理解していただけましたか。 類語と比較することで「成功裏」は「完全ではなくとも、おおむねうまくいった」というニュアンスがよくわかります。ビジネスシーンで間違った使い方をすると、反省していないと誤解される可能性もあります。例文も覚えて、正しく使えるようにしておいてください。


関連記事