2003年に流行したSARS

2002年から2003年にかけて流行したのがSARSです。中国南部の広東省を中心に、世界で774人の死者と8,096人の感染者を出しました。観光分野や一般消費分野をはじめ、中国経済にも大きな影響を与えました。 一方、工業生産の分野にはあまり影響を与えなかったこと、そして当時の力強い経済成長が後押しなって、中国における投資の勢いは継続しました。中国経済は回復へとつながり、通年の実質GDPでは約10%という高い数字を記録しました。

2008年のリーマンショック時も世界を牽引

2008年9月、アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻します。前年にアメリカで起きた住宅バブル崩壊がきっかけで、この信用収縮を発端に世界的な金融危機へと発展します。 同年11月、中国は4兆元(約57兆円)にのぼる大規模な経済対策を実施。翌年1〜3月期のGDPは6.2%まで落ち込みましたが、2009年のGDPは通年で9.4%と急速に回復。世界経済の牽引役ともなりました。

これまでと異なり中国国内の生産が停止

2度の経済危機を乗り越えた中国ですが、今回のコロナ危機については不透明な状況が続いています。理由は前回の危機と異なり、国内の生産活動が止まった点にあります。 今や「世界の工場」と呼ばれる中国は、世界に大量の製品を供給する生産拠点です。その中国の生産停止は世界に大きな影響を与えました。3月から一部の経済活動が再開されてはいるものの、本格的な回復が見通せる状況には至っていません。

工場や流通がストップした中国

操業停止は、2月の春節の連休を延長するというかたちでスタート。サプライチェーンの中心地で工場がストップしたことは、関係各方面に大きな影響を与えました。輸送や流通などの物流システムに与えた影響も深刻です。 日本の自動車メーカー各社も相次いで生産を停止。現在では稼働を再開するところも出てきました。製造業の業況感をつかむ景気指標「製造業購買担当者指数」(PMI)を見ると、3月は2月に比べて大幅な改善が見られます。 しかし、海外からの注文キャンセルや世界的な需要の減速から、全面再開が見通せない工場もあります。世界的にコロナが広がる状況では、依然として不透明な状況が続くと見られます。