数々の会社やファンドが名乗りを上げていた

日立化成は東証一部に上場しています。その株式の約51%を日立製作所が保有しており、今年の5月に売却先を入札方式で募集しています。 入札には三井化学や大手プライベートエクイティファンドのキャピタルカーライルグループ、KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)、ブルックフィールドやロッテケミカルなどが参加したとみられています。 数々の入札の中から化学大手の昭和電工が有力な売却先として交渉を進める方向で決まり、TOBで日立化成の全株式を取得することになった模様です。

昭和電工の狙いは業績拡大

昭和電工の狙いは、長く続いている中堅企業のポジションから脱却しグローバル競争を勝ち抜くための業績拡大とみられています。 日立化成の時価総額は昭和電工の時価総額の2倍超とみられ、同社にとって過去最大級の投資となります。 昭和電工は石油化学製品、記憶媒体のハードディスクや電炉での製鋼に使う黒鉛電極などに強みを持ち、化学メーカーとして成長を続けていくためにも日立化成の材料開発の技術力に期待していると思われます。

昭和電工は確定した事実はないとしている

26日現在、昭和電工は国内一部メディアの報道は同社が発表したものではなく、TOBが確定した事実はないとホームページ上で声明を出しています。ただ、日立化成とは企業価値向上を目的に株式取得を含めた検討を行っているとし、TOBに含みを持たせています。

買収額は9000億規模か?

日立化成の買収額は9000億円規模とみられています。同社の時価総額は足元で約7000億円ですから、買収が決まればかなりの高値といえます。 日立化成の株価は2018年の不適切な検査の発覚以来低迷し、2,000円代を割り込んでいましたが、買収報道が流れたことでここ最近は3,500円から3,600円で推移していました。 1次入札では、カナダのブルックフィールドとロッテケミカルが9000億円超の高値をつけたものの、日立製作所側は「日立化成が成長する保証がない」として買収決定を見送ったといわれています。