担当巡査が着服、警察もそれを隠蔽した

当初ニセ警官が派出所にいて現金を受け取った可能性も浮上しますが、善意で届け出た主婦にも疑いがかかります。すぐに堺南署の刑事課長が主婦を事情徴収しますが、「シロ」と判断します。 しかし堺南警察署の幹部はその報告を聞き入れませんでした。主婦が無実であれば、派出所の誰かが着服したことになるからです。 担当した巡査が着服した可能性を指摘する刑事もいましたが、誰も深入りすることをせず事実を捻じ曲げようとします。

堺南署はこの事件の隠蔽工作を図った

届け出た主婦が犯人でなければ、警察署内の人間に疑いの目が向けられます。回避する方法は一つしかありませんでした。 それは、届け出た主婦に犯行を擦(なす)り付けることです。警察幹部が決定したことに傘下の署員は従います。恐ろしいことに警察署が一丸となって冤罪事件を作り出そうと動き出します。

妊婦が堺南署に届出た時、対応に当たったのは1人の巡査だけ

当時派出所には巡査が一人しかいませんでした。主婦の名前を鉛筆でメモ書きしただけで、終始うつむき加減だった巡査の顔を主婦は覚えていません。これも警察署には好都合でした。 不祥事を出したくない堺南署の幹部は主婦の犯行と結論付けて、捜査を開始します。 主婦が自白さえすれば、警察署内はすべて丸く収まります。着服した身内の巡査をかばって、無実の主婦に罪を擦り付けるための隠ぺい工作が始まります。

翌月に栄転を控えていた堺南署幹部は隠蔽を決断

3月に栄転を控えていた堺南警察署の最高幹部であった署長・副署長・警邏(けいら)課長にとって、今回の不祥事はどうしても認めることができませんでした。 決まっている栄転が取り消されるだけではなく、責任問題にまで発展する可能性があったからです。 堺南警察署の幹部は世間に悟られないよう組織的な隠蔽を企てます。しかし警察署に出入りする社会部の記者が不審な動きに気付きます。