宮下公園と人権問題

ミヤシタパークの人権問題は、宮下公園時代にまでさかのぼります。大きなきっかけとなったのは、2009年にナイキジャパンが宮下公園の命名権を取得し、改修事業に乗り出したことです。ホームレスの強制退去が市民団体の反発を呼び、デモ活動にまで発展しました。

ナイキとの宮下公園の共同改修

宮下公園は1964年の東京オリンピックと同じころ、人工地盤工事を経て開設されました。 宮下公園を所有する渋谷区は、老朽化する施設の修復する必要が出たため、公園の命名権をナイキジャパンに売却して改修工事に踏み切ったのです。 名目上は渋谷区との共同改修となっていますが、費用は全額ナイキジャパン負担です。どちらの立場が強いかは明らかであり、命名権と合わせて1企業による公共施設の私物化が問題視されました。

ホームレスの強制退去の過去

渋谷区は改修工事と同時進行して、宮下公園に住み着いていたホームレスの退去に着手しました。渋谷区によると退去の際、ホームレスには受け入れ施設の紹介、立ち退きの支援を行ったと発表しています。 しかし当事者たるホームレスへの周知徹底ができておらず、説明が不十分として反対活動が勃発しました。反対派は公園を数ヶ月占拠し、国外にも運動が波及して日本大使館やナイキ店舗へデモ活動が行われました。 またホームレス排除にあたって、強硬手段として強制退去させられたホームレスと支援団体が2011年に裁判を起こしています。東京地裁は渋谷区の強制退去を違法とし、損害賠償命令を出しました。

宮下公園跡地に建つ高級ブティックの数々

ミヤシタパークは複合商業施設として、順次営業開始予定です。すでに営業開始した宮下公園跡地には、高級ブティックが多数軒を連ねています。 社会的弱者を排除して、消費経済活動を優先するのかと批判がある一方、生まれ変わったミヤシタパークを評価する向きもあります。 かつての宮下公園はホームレスだけでなく、不良や違法薬物の売人が集まる危険な場所でした。明るく清潔感ある施設になったミヤシタパークは、新型コロナウイルス対策も充分に盛り込まれているため、近隣住民や利用者からはおおむね好評のようです。