逃亡犯条例がきっかけで勃発した香港デモ

2019年には中国本土への犯罪者の身柄引き渡しを容易にする逃亡犯条例がきっかけに香港デモが生じています。 この香港デモは2019年3月頃から始まり、11月には警察とデモ隊との衝突で複数の死者がでるなど過激化していました。 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、抗議活動はインターネット上での集会や、任天堂のゲーム「あつまれどうぶつの森」に活動拠点を移すなど、ヴァーチャルな世界へと抗議活動の場を移し始めています。

先日の国家安全法の導入方針に続く反発要因に

中国では国歌条例案の導入のわずか1週間前の5月28日にも国家安全法を香港に導入する方針が決定されています。 この国家安全法は香港での反体制活動や外国の政治団体と関係を持つことを禁止する法案です。これによって、香港では反共産党デモやSNSなどでの共産党批判、他国政府に対して民主化支持を訴えかけるなどの行為が禁止されると見られています。 こうした国家安全法に対して香港市民だけでなくアメリカ政府やイギリス政府なども反発をしてきた矢先の国歌条例案の導入でさらなる反発が予想されます。

香港から民主主義は消えてゆくのか?

香港はこれまで中国本土から資本主義や民主主義が認められてきました。しかしながら、逃亡犯条例に端を発した香港デモに対する締め付けを強化したい中国本土によって香港の民主主義が侵されようとしています。

中国と香港の間にある一国二制度

1997年に香港がイギリスから中国へ返還された際に、中国は香港に対して今後50年間は資本主義や民主主義の継続を約束していました。 このように中国は香港に高度な自治を認め、香港では中国本土とは異なる制度が導入される一国二制度がこれまで香港返還以来、継続してきました。 しかしながら、国家安全法案の導入によって50年間は約束されたはずの香港の民主主義が20年ほどで揺るがされることになります。