香港議会で国歌条例案が可決
1分で分かるニュースの要点
- 国歌条例案によって香港の言論の自由が侵される恐れ
- 国家安全法でデモ活動禁止の方針が決定した矢先の導入
- 香港の民主主義が侵され、デモが過激化する可能性も
国家の侮辱を禁止する国歌条例案
香港議会で5月4日、中国の国歌を侮辱する行為を禁止する「国歌条例案」が賛成41、反対1の賛成多数で可決されました。 同法案に対しては民主派が修正案を提案していましたが、親中派がそれを否決した直後の採決で、民主派議員は投票を拒否していました。 憲法にあたる基本法においてこれまで言論や示威行為の自由が保障されてきました。しかし、この国歌条例案が可決されたことによりそれらの自由が脅かされることが懸念されています。
12日から施行予定で禁固刑に処される可能性も
この国歌条例案によって中国国歌に対する侮辱行為を行った場合、最高で禁固3年と3万香港ドル(約70万円)の罰金が課されることになります。 これまでに香港ではサッカーの試合などのイベントで中国国歌へのブーイングが起きたり、起立しなかったりするケースが生じていましたが、こうした行為も国歌条例案が6月12日に施行された後は罰せられる可能性があります。
香港市民の反発が強まる可能性
香港では2019年3月から逃亡犯条例をきっかけに香港市民によるデモが続いています。5月の国家安全法に続き、この国歌条例案の施行によって香港市民の中国本土への反発がさらに強まる可能性があります。