聖マリアンナ医科大学が入試での差別を認めた
聖マリアンナ医科大学が入試得点を不正操作
- 事件発覚のきっかけは文科省官僚の収賄事件・大学のパソコンから証拠データが見つかる
- 不合格の理由は面接試験と適性試験の結果・不透明な合格基準
- 他の大学でも同様の事件が・急がれる女性差別のない環境づくり
聖マリアンナ医科大学の不正入試問題
聖マリアンナ医科大学は、平成27年度から平成30年度の間に実施した一般入学試験において、女性や浪人生など属性による不適切な得点の操作を行っていました。同大学では第三者委員会の調査報告を受け、その「可能性」を認めています。 得点操作の不正は、どのようにしておこわれていたのでしょうか。
発端は聖マリアンナ医科大学に入学した学生による収賄問題
不正入試が発覚した発端は、2018年に起きた文部科学省幹部による受託収賄事件でした。当時文部科学省化学技術・学術政策局の佐野太(ふとし)医学部が自分の息子を医学部に不正に入学させる見返りに、東京医科大学を私大支援事業の対象に指定していました。 文部科学省はこの事件を受け全国81の医科大学を調査し、うち9校で不正があったことを公表しました。 この調査で聖マリアンナ医科大学が、不適切な得点操作をしている疑いがあることが発覚しました。
エクセルファイルに浪人や性別がまとめられていた
第三者委員会が聖マリアンナ医科大学のパソコンソフト(エクセルファイル)を調べたところ、平成27年度から平成30年度の入試データに「女性」「浪人区分」「男性調査点」などの区分がされていることが分かりました。 平成28年度の記録には、男性の受験生に一律「19.0」を加算するよう記載されており、「浪人区分」枠があることも見つかりました。 調整点と書かれた不正操作の点数差と、毎年度の男女の点数がほぼ一致しており、第三者委員会は不正があったことは明らかであるとしています。