米国下院でトランプ大統領の弾劾決議を可決

2019年12月18日、米国下院はいわゆるウクライナ疑惑に関係し、トランプ大統領を職権乱用と司法妨害の容疑で弾劾する訴状を賛成多数で可決した。 しかしペロシ下院議長は、上院での審議プロセスが明確になるまで、その訴状を無期限に保留(上院に送付しない)にするとの宣言を行った。

上院は共和党が多数を占める

上院では共和党が53議席で多数である。 マコーネル上院共和党院内総務は、トランプ氏が行ったことは重大問題ではないこと、下院における審議が余りにずさんで重要証人が下院で証言していないこと等をもって、上院では新しい証人を喚問する等を行わず、早めに決着を付けたい方針だ。  しかし民主党としては、当時NSC担当大統領補佐官だったボルトン氏やマルバニー首席大統領補佐官代理といったウクライナ疑惑に関する当事者の証人喚問を求めて行く方針で、共和党の切り崩しを図っている。 大統領罷免は20人の共和党上院議員が裏切らなければ出来ないが、弾劾裁判のプロセスで、意外に民主党に協力する共和党上院議員が3人より増えるかも知れない。

下院民主党にいる積極的ではない党員

しかし下院民主党も同様の状況にある。 12月18日の時点では、31人の民主党下院議員が2016年の選挙でトランプがヒラリーに勝った地区での選出だった。特に大差のあった地区選出の二人の民主党下院議員が、トランプ弾劾に反対票を投じ、その内の1人は共和党に移籍した。 残っている30人に関して米国メディアの報道を詳細に見てみると、2016年にトランプがヒラリーに勝った時の勝ち幅以上の大差で、2018年の中間選挙で共和党候補を破った議員以外は、トランプ弾劾に積極的ではなかった。 今ワシントンでは、これから共和党に入党する民主党下院議員が、まだ出るのではないか?という疑心暗鬼があるようだ。

ペロシ下院議長とトランプ大統領

そもそもペロシ氏は民主党員時代のトランプ氏と親しく政策的にも遠くない。 またクリントン弾劾に共和党が必死になり過ぎて、かえって共和党の支持率が落ちたことを経験している。 実際、中立系ないしリベラル系のギャラップの調査によれば、トランプ氏の支持は弾劾騒動のお陰で過去最高に近くなり(それでも半数以下であることに変わりはないが)、また米国民の過半数が弾劾に反対しているという。