安愚楽牧場は現物まがい商法で巨額の負債を抱え破産。口蹄疫の問題や詐欺まがいの手法まで徹底解説。

経済

2019年10月15日

安愚楽牧場は詐欺や口蹄疫などさまざまな問題によって多数の被害者を出しました。結局は巨額の負債を抱えて破産しましたが、現物まがい商法を世の中に知らしめるきっかけともなりました。今回ビズキャリオンラインでは安愚楽牧場が行った詐欺まがいの手法について解説します。

1分でわかる安愚楽牧場

安愚楽牧場の実態とは

  • 高利回りを狙える和牛オーナー制度を謳う
  • 牧場経営・詐欺まがいの商法が被害を広げる
  • 経営陣は逮捕・起訴された

「元本保証で7%の金融商品があります」「日本人が大好きな黒毛和牛のオーナーになりませんか」この誘い文句に7万人が心踊らせました。 投資を持ちかけた安愚楽(あぐら)牧場のずさんな経営体質と詐欺まがいの勧誘手法が、負債総額を4300億円にまで膨れ上がらせました。損害賠償請求が国家にまでおよぶ事件となりました。

安愚楽牧場の破産の時代背景

1990年代はバブル崩壊の影響が多くの人にのしかかります。景気が悪くなると日本銀行は企業の投資を呼び込むために金利を低くします。 それは利息収入を生活の糧にしていたお年寄りには大きな問題です。銀行で満期を迎えても以前のように高い利回りの定期預金はありません。では、人々はどのように行動したのでしょう。

豊田商事事件現物まがい商法が問題となった

1980年代に発生した悪徳商法に豊田商事事件があります。高齢者の自宅に押しかけ金地金(金の塊)を売りつけます。代わりに「純金ファミリー契約証書」を渡しますが、実際には金地金の保有も運用もしていない悪徳商法です。 多くの高齢者が被害に遭い、国内で発生した詐欺事件としては最大の規模でした。 衝撃的だったのはマスコミの取材中に男2人が会長・永野一男の自宅マンションに押し入り、殺害して出てくる一部始終がテレビ中継された事です。

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和牛預託商法も規制の対象となっていた

和牛預託商法とは、まず牛の買主を募り集めたお金で和牛を購入します。その和牛から生まれた子牛を売却して配当金を支払い、契約終了時には和牛を買い取ることを約束するビジネスです。 しかし実際は和牛を購入せずに、他の出資者への配当金に振り向ける詐欺商法が横行します。 1987年に豊田通商事件の反省から貴金属など特定商品の契約には一定のルールを設けた特定商品預託法が制定されています。1997年、この法律に家畜も追加されました。

安愚楽牧場の概要

安愚楽牧場は、のちに逮捕起訴される三ヶ尻久美子の亡き夫が1981年に栃木県で始めた有限会社安愚楽共済牧場がその前身です。和牛を育てて販売する畜産会社で、全国に多くの直営牧場と預託牧場(牛を預かって育てる牧場)を持っていました。 その安愚楽牧場が始めた和牛オーナー制度が、のちに大きな社会問題になります。詳細を見ていきましょう。

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