「糟糠(そうこう)」の意味や「糟糠の妻」を用いた例文や慣用句を紹介

ビジネス用語

2019年4月28日

「糟糠」という難しい言葉があります。「糟糠の妻」といわれればピンと来る方もおられるかもしれませんが、正しく説明できる人は少ないでしょう。今回ビジキャリでは、この「糟糠」に関して意味や例文を解説するとともに、「糟糠の妻」についても詳しく介します。

「糟糠(そうこう)」の要約

  • 意味:「貧乏なころから大変な時期や苦労を共にしてきた奥さん」
  • 由来:「『後漢書(宋弘伝)』という中国の歴史書」
  • 例文:「長年連れ添った糟糠(そうこう)の妻を捨てて、不倫相手と再婚しようとするなんてあなたは最低です。」
  • 類語:「パートナー」
  • 英語:「one's wife who has shared joys and sorrows with him all through his life」

糟糠(そうこう)の意味は「価値のないもの」

「糟糠(そうこう)の妻」という言葉はよく見聞きしますが、「糟糠(そうこう)」単独で使われていた記憶がない人も多いと思います。そして「妻」にかかる「糟糠(そうこう)」の意味を、的確に理解している人も少ないようです。 「糟糠(そうこう)」には2つの意味があります。1つめは「酒粕や米ぬか」のことで、それが転じて「粗末な食べもの」を意味します。2つめは「値打ちがないあるいはつまらないもの」という意味です。平家物語に、2つめの意味で「糟糠(そうこう)」が使われた文章が出てきます。

糟糠の例文

「糟糠(そうこう)」は「妻」とセットで使われることが多いですが、それだけではありません。

例文

  • 貧しくて食べるものに困れば、糟糠(そうこう)もいとわないものです。

例文

  • 遺伝子を増幅する際には、穀物粒の糟糠(そうこう)を使います。

例文

  • 清盛入道は平氏の糟糠、武家の塵芥なり。 (清盛は平氏のみそっかす、武士のごみです。)

このように、「酒粕」あるいは「米ぬか」という意味で用いられることもあります。科学分野の論文には、この意味で「糟糠(そうこう)」がよく使われているようです。また、人を貶める表現として用いられることもあります。

糟糠の妻の意味は「貧しいころから共に苦労を重ねてきた妻」

「糟糠(そうこう)」といえば「妻」を連想する人も多いはずです。「糟糠(そうこう)の妻」とは、「貧乏なころから大変な時期や苦労を共にしてきた奥さん」を意味します。 「糟糠(そうこう)」には「酒粕」「米ぬか」という意味がありますが、そうした粗末なものしか食べられないような生活を共に過ごしてきた奥さんを表しているのです。そこには、貧乏な時代に苦楽を共にしてきた大切な伴侶という意味も含まれています。 しかし結婚式などで「糟糠(そうこう)の妻」を使うべきではありません。「糟糠(そうこう)」が貧しさを連想させると共に、長年連れ添うという意味が含まれているからです。

糟糠の妻の語源

「糟糠(そうこう)の妻」は語源が明確な言葉です。その由来は「後漢書(宋弘伝)」という中国の歴史書の中にあります。 「後漢書」は、「漢書地理志」「魏志倭人伝」と共に有名な史料です。中国の後漢朝について書かれたもので、日本では「後漢書東夷伝」が有名です。中でも「宋弘伝」は、前漢朝時代末期より後漢朝初期に活躍した政治家である宋弘について書かれた部分です。 「糟糠(そうこう)の妻」という故事成語は、この宋弘が光武帝に話した会話から生まれたものです。

糟糠の妻の使い方と例文

「糟糠(そうこう)の妻」は、下積みが長かった男性の奥さんを紹介する際に使われることが多いです。つまり「糟糠(そうこう)の妻」は、よくできた奥さんという意味で使われます。 実際に「糟糠(そうこう)の妻」がどのように使われているのか、例文を交えて説明します。

例文①糟糠の妻は堂より下さず

「糟糠(そうこう)の妻」は、語源である「後漢書(宋弘伝)」では以下のように書かれています。

例文

  • 弘曰、臣聞、貧賤之交不可忘。糟糠之妻不下堂。(宋弘は言いました。「私は貧しく身分が低い地合いの交友関係を忘れてはならない。貧乏な生活の中で苦楽を共にしてきた妻を表座敷から追い出してはいけない。」と聞いていますと。)

ここでは、「糟糠(そうこう)の妻」を大切にするように戒める場面で使われています。「堂より下さず」を現代語訳すると、「家から追い出してはいけない」という意味となります。

例文②糟糠の妻を捨てる

男性を非難する表現として、「糟糠の妻を捨てる」が多用されています。

例文

  • 長年連れ添った糟糠(そうこう)の妻を捨てて、不倫相手と再婚しようとするなんてあなたは最低です。

例文

  • 芸能人に糟糠(そうこう)の妻を捨てる人が多いのは、成功の証としてトロフィーワイフが欲しくなるからと考えられます。

この場合「貧乏時代に苦楽を共にした奥さんを見捨てる」というニュアンスとなり、それを実行する男性を非難する言葉として使われます。

糟糠の妻に似た表現は「パートナー」

「糟糠(そうこう)の妻」と似たようなニュアンスで使われる言葉に、「パートナー」があります。しかし決定的に違う部分もあります。 「糟糠(そうこう)の妻」は、結婚している伴侶を表す言葉です。しかし「パートナー」は結婚相手だけでなく、未入籍の妻や恋人なども含みます。海外では結婚という形式をとらないまま、一生を共にするカップルが多数います。その場合は苦楽を共にしたとしても、「糟糠(そうこう)の妻」ではなく「パートナー」を使うのが適切です。

糟糠の妻の英語は「one's wife who has shared joys and sorrows with him all through his life」

「糟糠(そうこう)」を直訳する英単語はありません。そのため英訳の際は様々な表現が用いられます。

Sound Listen the english sentence

She is one's wife who has shared joys and sorrows with him all through his life.

彼女こそ糟糠の妻です。

ここでは「糟糠(そうこう)の妻」を、「one's wife who has shared joys and sorrows with him all through his life」と英訳しました。この表現は、「大変な時代からずっと苦楽を共にしてきた奥さん」を意味しています。

まとめ

ここでは熟語単独では使う機会の少ない「糟糠(そうこう)」と、多用される「糟糠(そうこう)の妻」という表現について説明しましたが理解できましたか。 日常生活の中でも「糟糠(そうこう)の妻」は使用頻度が高い表現ですので、適切に使えるように意味や例文を覚えておいてください。


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