大学入試改革の目的、背景

現在の大学入試センター試験は1990年に始まり、それ以前から「共通第1次学力試験」という名で、大学入学志望者の高等学校における基礎的学習の達成の程度を判定する役割を果たしてきました。 採点を比較しやすいマークシート式の試験であり、良質の問題が多く高等教育の達成度を容易に把握できるという利点がありました。一方、知識重視・暗記型の勉強で高得点が取れるという点も指摘がなされていました。 近年、大学での企業人材教育の重要性が叫ばれ始めました。知識の量でなく、自ら問題を発見し答えや新しい価値を生み出す人材が求められ、大学入試センター試験も思考力や判断力、表現力をより重視したテストに衣替えする方向で改革がなされることになったのです。

大学入学共通テストの採点権をベネッセが落札

今回の大学入試試験の改革の目玉は2つです。1つは英語民間検討試験の活用、もう1つは大学入学共通テストの国語・数学での記述式試験の導入です。 大学入学共通テストはマークシート式の問題です。マークシート式であれば機械にかければ採点が即座にできるというメリットがありますが、記述式の問題となるとそう簡単にはいきません。人間が答案を見て正解かどうかを採点する必要が出てきます。 この採点作業は民間企業に委託する予定でした。2019年8月に一般競争入札が実施され、ベネッセグループ傘下の会社が落札し、準備が進められていました。

公的な試験に民間企業が介入するリスク

大学入試センター試験は毎年およそ50万人もの数の受験生が受ける試験ですが、その記述式問題の採点を一民間企業が責任をもって請け負うことができるかどうかは問題です。 実際に様々なリスクが不安視され、完全に払拭することはできなかったといえます。ここでは公的な試験に民間企業が介入するリスクについてみてみましょう。