ロシアの減産拒否が引き金に

コロナの世界的な感染拡大による原油の需要減退に対応するため、「OPECプラス」では原油の減産が協議されていました。 しかし、原油産出世界1位のアメリカが自由に増産しており、ロシアはそれに対抗するため、減産を拒否します。 ロシアが増産体制に入ると、経済を原油に依存しているサウジアラビアも増産に転じ、原油の価格競争がはじまりました。

アメリカのシェールオイル増産を食い止めたかったロシア

ロシアは「OPECプラス」の協調減産体制に不満を募らせていました。その原因は体制から外れているアメリカのシェールオイル増産です。 主要産油国が減産体制を敷く中、シェールオイル増産を続けるアメリカは1人勝ち状態になりました。 そのシェールオイル増産を食い止めたい思惑があったロシアは、減産を拒否し増産に転じたとみられています。

勝者なき価格戦争を回避できるか?

原油の価格戦争は上場企業でもあるホワイティングを経営破綻まで追い込みました。 価格戦争を続ければ、産油国の経済にダメージを与えるだけでなく、原油関連の企業の売上にも影響します。 原油価格が暴落している今、価格戦争の回避は産油国間の協議にかかっています。

どこにとっても旨味が少ない価格戦争

価格戦争は株価の暴落、アメリカ経済の縮小を引き起こします。 実際、3月9日原油価格急落を受け、NYダウ平均株価は7.79%下落しました。アメリカの株価が下がれば、それに呼応するように世界各国の株価も下落するという悪循環に陥ります。 そして、アメリカは原油関連の企業が国内産業で大きなウェイトを占めており、価格戦争はアメリカの主要産業に大ダメージを与えます。アメリカ経済の縮小は世界経済の低迷に繋がるため、価格戦争は誰も得をすることがありません。