モラルハザードの意味を解説!事例とその対策や業界ごとのモラルハザードなど紹介します!

経済

2019年5月23日

今回ビジキャリでは「モラルハザード」を取り上げます。「モラルハザード」は誰でも起こす可能性があり、また誰でもその被害者になりうる厄介な問題です。それだけに正しい意味や具体的な事例をしっかり頭に入れて日頃から注意を怠らないようにする必要があります。

モラルハザードの意味は「非道徳的な行動を取ること」

我が国において「モラルハザード」の意味は「非道徳的な行動を取ること」と理解されています。 火災保険に加入して自らが火災を起こすケースなどの保険金詐欺や致命的な罰則がないことを盾に取った給食費未払いなど、「節度を失った非道徳的な行動」が「モラルハザード」と考えられています。 しかしながらこれは我が国独特の考え方で、本来「モラルハザード」には倫理や道徳の概念は含まれていないとするのが世界的な常識になっています。

モラルハザードはもともと保険や金融業界で使われていた

「モラルハザード」という用語はそもそも保険業界や金融関係で使われていました。 本来「モラルハザード」は自動車保険によって損失が補償されるため注意義務を怠るようになったり、預金者保護のため金融機関の経営危機を政府が支援することを見越して金融機関が乱脈融資を繰り返したりすることに対して使われていました。 ここに倫理や道徳の考え方は入っていません。日本に「モラルハザード」の概念が入ってきたときその解釈が拡大され、倫理や道徳に反する行為として現在の形で日本独自の使われ方をするようになったのです。

モラルハザードの企業での事例とその対策

「モラルハザード」の概念が理解できたところで、具体的な事例を見ていきましょう。 「モラルハザード」はどの業界でも組織でも発生する可能性がありますが、今回は「モラルハザード」が起きる最も一般的な事例として金融機関と保険会社のケースを解説します。

事例①コスモ信用組合

コスモ信用組合はバブル崩壊後非常に高利率の「マンモス定期」で多額の預金を集めました。しかしながらバブル時に取得した不動産価値の暴落や不正な大口融資の不良債権化などによって、資金繰りに行き詰まり破綻してしまいます。 破綻後預金者保護を名目に日本銀行と預金保険機構による多額の金融支援が実施され、預金者の資金は元本を含め全額が保証されました。 旧経営陣への背任罪等の責任追及は行われましたが、既にバブルが崩壊していたにもかかわらず見通しの甘い拡大策をとったコスモ信用組合の「モラルハザード」が厳しく批判され、その後金融機関への監督規制が強化されることにつながりました。

事例②医療保険

多くの現代人は健康寿命を延ばすため禁酒や禁煙、ウォーキングなどによる健康維持対策をします。 ところが医療保険や死亡保険に加入した途端、保証をあてにした安心感からこれらの活動を止めてしまうことがあります。これも「モラルハザード」の一例です。結果的に保険会社の支払いが増加し、保険加入者の負担額も増えてしまうことになりかねません。 保険会社はこれらの「モラルハザード」対策として、健康状態が良い加入者に対する優遇策や喫煙者へのペナルティなどを保険の制度設計に盛り込んでいます。

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